第7話 小鳥遊綾乃
(綾乃視点)
「なんで柳屋さんが横田さんとここに……!?!?!?」
最初見たときには訳が分からなかった。
なぜ柳屋さんがこの事務所にいるのかもわからないし、よりによってなぜ私のマネージャーと一緒にいるのかもわからなかった。
呆然と立ち尽くしていたら、会議が終わったのか、部屋から二人が出てきた。
「「あっ」」
他人のフリをしていたら良かったかもしれない。
だが、私の体が焦りと緊張で思うように動かなかった。
「小鳥遊……さん、ですよね?」
「ッ……は、はい……」
どうしよう。
どうしようどうしようどうしよう!!
バレてしまった。
私がVTuberになろうとしているのが。
よりによって、委員会が同じ人に。
「あら、お二人さん知り合いだったんですか?」
二人が気まずくなったのを察知したのか、横田さんが話題を出してくれた。
「は、はい……同じクラスメートで、同じ委員会でして……」
私の代わりに柳屋さんが私たちの関係を話してくれた。
私はパニックになっていて、うなずくことしかできなかった。
「そうだったんですね。小鳥遊さんに先に言っておこうかしら。彼、あなたのママよ。」
「……ふぇ?」
思わず変な声が出てしまった。
+++
(透視点)
出口に案内してもらうために、部屋から出たら、そこに見覚えの顔がいた。
そしてすぐそれが綾乃だと分かった。
「「あっ」」
どうすんのこれ、気まずいじゃん。
「小鳥遊……さん、ですよね?」
一応確認のために、名前を聞いてみた。
「ッ……は、はい……」
やっぱりか。
二人してだんまりしていると、横田さんが急に話しかけてきた。
「あら、お二人さん知り合いだったんですか?」
綾乃はパニクってるのか話せなさそうだったし、代わりに説明した。
「は、はい……同じクラスメートで、同じ委員会でして……」
すると、横田さんが納得した顔を見せすぐ綾乃に顔を向いて、
「そうだったんですね。小鳥遊さんに先に言っておこうかしら。彼、あなたのママよ。」
……それ言っちゃっていいヤツなのかい?横田さんや。
「……ふぇ?」
綾乃のかわいらしい声が響いて、ちょっと狼狽えてしまった。
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8話も読んでくれてありがとうございます。
初めての綾乃さん視点ですね。いや前回少しだけありました。
あと同じ時間軸で両方の視点を書いてみたかったっていうのと、文字数が微妙な数だったのでやってみました。
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