第4話 完成した吸血鬼さん


「やっとできたぁぁぁー!」


「おにぃ、やっとできたの!?」


遂に完成した。

そこには、この前志帆に見せたラフから、大幅な進化を遂げている吸血鬼がいた。

赤を基調とした黒の丈の少し短めのドレスをまとわせてみたり。

アタッチメント(?)として猫耳カチューシャも描いてみたり。


「……これ半分くらいおにぃの趣味混じってない?」


「ばれたか」


実をいうと、半分くらい俺の趣味が混じっているモデルができた。リクエスト少ないし、しょうがないよね。


「それにしても、かわいいよねぇ……推していい?」


「毎日聞いたら飽きてきたその言葉……」


志帆は毎日進捗を見せるや否や推していいか聞いてきていた。

製作期間はざっと二週間当たりだが、さすがに反応するのも疲れていた。


「じゃあ推していいよね?」


「わかったから好きにしろ」


+++


夕食後。


「これメールで一回渡してみてOKか聞いてみるか」


「多分OKになるよきっと、今までより一番いいんでしょ?」


確かに今までの作品より断然クオリティが高いと思う。前の作品に失礼だけど。

早速メールで完成した一枚絵を送ってみた。

数分後、早速運営から返信が来て、綾乃本人からOKが来たようだ。


「志帆!さっきの絵が採用されたぞ!!」


喜びのままに志帆に報告したら、


「フッ、当然であろう?」


「厨二か」


「中二だよ?」


「そうだった」


前も似たようなやり取りをしたような気がする。

志帆のこのノリは何なのだろうか。


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五話も読んでくれてありがとうございます。

これで一章は完結となります。

次回は、次章予告ということでとても短くなる予定です。

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