スライムゼリーと『ナイトシーカー』

 私はいつものように家から出て,ダンジョンへと向かう。

私が向かうのはCランクダンジョンの『スライムチャーム』だ。

ここでは様々な種類の『スライム型魔物』が生息している。

私が今日狙うのは,その中でも遭遇率0.003%を誇る『フルメタルスライム』だ。

このスライムは俊敏力と耐久力が両方とも1000と高く,見つけたとしても捕まえるのが難しいスライムだ。

だが,このスライムから得られる経験値は高く,ドロップするアイテムも最上級品ばかりだ。

まぁ,私は今回そんなのには興味ないのだが。



 淡々と出てくるスライムを倒していく。


「弱。」


ここら辺の階層に出てくるスライムは比較的弱い。

弱すぎるくらいだ。

前に倒したレッドドラゴンとタメを張るぐらいの弱さだ。

しばらく進んでいると,とあるパーティーがスライムに囲まれているのが見えた。


「クソ!何でメタルスライムが群れでいるんだよ!」


あれは私の町でも有名なBランクパーティーの『ナイトシーカー』だ。

どうやらただのメタルスライムに苦戦しているらしい。

まぁあれ単体でC+ランクはあるから群れで集まられると厄介なんだよね。


「ここは一つ貸しを作っておきますか。」


こういう時ヒーローは見返りを求めたりしないのだろうが,生憎私にはヒーローの素質なんてない。

メタルスライムは少し硬いだけのスライムだ。

魔法を使えば余裕で倒せる。


爆炎ヒート。」


そう言って魔法を放つ。

これは炎属性の中でも初級魔法に位置する魔法だが,意外と使い勝手がいい。

調節もしやすいからいつも愛用している。


「あんなにいたスライムが一瞬で…。一体誰がやったんだ?」


『ナイトシーカー』のリーダーらしき人が言う。

どうやら他の2人は魔法の打ち過ぎか何かで気絶しているようだ。


『ちょうど良い。』


良い実験台になりそうだ。

私はその人達の前まで歩いていき一言。


「あんたら。スライムゼリー食べん?」

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異世界の美味しい食べ方 ぞーすい @zo_sui

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