異世界の美味しい食べ方
ぞーすい
料理スキル
私の持つスキル【料理】は非常に特殊な能力を持つスキルだ。
対象(食材のみ)を余すことなく調理することができる。
『対象』の定義は私にとって食べられるものかどうかだ。
人間は雑食である。
よって世界に存在するものは全て食べ物だ。
だが人々は皆こう言った。
『雑魚スキル』
と。
人々は知らない。
このスキルの真骨頂を。
人々は知らない。
この世界に悪魔が潜んでいることを。
世界は強いものが弱いものを従える弱肉強食の世界だ。
私も『国』という強者と敵対している。
その身を追われているのだ。
彼らは今になって私のスキルの本質について気づいた。
しかしもう遅い。
私は暴食の王だ。
強者になったのだ。
なぜ私が【料理】スキルで暴食の王になったのか。
この物語は主人公が世界を救うお話ではない。
これは私のあるものを本能のままに喰らい尽くしていく,史上最悪の下剋上物語だ。
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