第2話 宇宙人の特徴
朝、自分は、みんなに同じように挨拶をする。大抵の人は、「おはようございます。」や挨拶に一言添えて「寒くなってきましたね。」と返すことが一般的だろう。
でも、ここの人達は、違う。朝は、挨拶を返さないが流儀。だけど、普通は相手から挨拶が返ってこない場合は、聞こえていなかったのかな?と感じる。そのため、もう一度トライする。次は自身の体を相手に向けて、相手の目線に合わせて、相手の目を見て、相手が不快にならないような表情を作って、挨拶する。
しかしここの住人は、表情を一切変えずに目線を下に向け、何も言わない。これがここの住人の流儀であり文化。挨拶したら負けらしい。ましてや、朝の眠たい時間に笑顔で挨拶をしたら、“私は毎日幸せです”と言ってるようなものらしく、周囲から幸せだと思われるのも、負けらしい。独特の考え、文化が作られている。
その独特な文化を見ていると、落ち着く自分もいる。自分も同じ出身者なんだろうなと感じる。朝の挨拶の苦痛な気持ちも分かるため、“近づく努力はした”と自分に言い聞かせて、業務に戻る。
だけど、宇宙人の対応は違う。2度目の挨拶が返って来ないと、「朝ごはん食べた?」と単純明快な質問をする。“何を言ってんだか。”と思っていると、100発100中「食べてない」と返ってくる。まさか、朝ごはん食べてないことを当てるなんて…朝ごはんにどれだけの威力があるんだよ。と、当時はあまり深く考えずに聞き流していた。
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