2. あべこべ装置

 それからしばらくして、〈黄色い人〉のうちの〈大きい人〉が言った通り、〈白い人〉の世界は衰退した。取って代わって、〈黒い人〉と〈黄色い人〉が、あらゆる業界の中核を担うようになった。


 それは科学界についても例外ではなく……


 ある〈黒い人〉の発明家が、とんでもない装置を発明した。



 その名も、「あべこべ装置」である。



 文字通り、使えば物事をあべこべ、つまりは通常とは逆の状態にしてしまう装置なのだが、そのメカニズムと効果範囲には、一癖も二癖もあった。


 というのも、この「あべこべ装置」なるものは、人のにまつわる価値観があべこべになるよう、世界のことわりを改変してしまうのだ。


 〈黒い人〉の発明家は、「あべこべ装置」のスイッチを、躊躇ためらいもなく、押してしまった。





 世界は((((あべこべ))))になった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る