第2話 ハンターズギルドにて


「おばさん、お仕事ありますか?」

「シン、私のことはお姉さんと呼ぶようにと言ったでしょう?」


受付の女性は気分を害したとばかりに頬を膨らませた。

シンからしたら年上は皆おばさんなのだ。


「え、でも。僕のお母さんと同じ歳ならおばs……」

「それでもお姉さんと呼ぶのが礼儀よ」

「はい……」


笑顔の圧力に屈するシン。


「結構。それで、お仕事だったわね? 今日の体調はいかが?」


受付のシホはシンの体調を聴きながら何の仕事を割り振るかを考えあぐねた。


正直、やってもらいたい仕事はいくつもあった。

シンは能力こそ低いが、スライムを飼っている。

特にピッキーの消化能力はゴミを処理する能力に長けている。

重いゴミを運ぶのはそれなりに重労働だが、真がその仕事を引き受けてくれるならギルドは安く片付けられてラッキーだった。

これを他のハンターに割り振れば何かと高くつく。移動費やら人件費、さらには専用器具の代金なども込み込みで大きな出費を出さなければならない。


しかしシンとピッキーならば単独で赴くだけで終わる。

ただ一つ、問題があるとするならばそれは真の体力が一般家庭の子供より低いことくらいか。

ピッキーはシンがぐったりしてる時に仕事をしない。

あくまでも真の体調が良い時だけしかしないので割り当てすぎても中途半端な仕事になってしまうのだ。

故にシンの体調は1番気にするところであった。


「さっきご飯食べたので、2つくらいは受けられそうです」

「結構。ならばちょうど良いお仕事があるわ」


シホはうってつけの依頼書をバインダーから引き抜き、ハンコを押した。

シンは依頼を受け取りながらそれを鞄に仕舞い込んだ。


「行こう、ピッキー」

「ぴき」


ある意味で通い慣れた道。そして何度も受けた仕事だった。

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