最弱テイマーのしあわせご飯
双葉鳴
最弱テイマーの貧乏ご飯
第1話 サポーターのシン
「シン、今日の駄賃だ。大事に使えよ」
「ありがとうございます」
渡された小銭を大切そうに受け取りながら、使い古された革の鞄に仕舞い込む。
シンはここ、シーカーズギルドにおいて1番下っ端のポーターとしてその名前を覚えられていた。
「ぴき!」
「ピッキーもお疲れ様。今日の稼ぎで少しはマシなご飯を食べられるね」
「ぴきー!」
相棒のピッキーに話しかけられながら、シンは屋台で串肉を買った。
乱雑に切られた何の肉かはわからないそれを甘辛いタレに漬け込んだものである。
金の稼げないシン達にとってそれはご馳走の部類だった。
熱々の串を大切そうに平らげ、少しだけ肉を残してピッキーに串ごと渡す。
ピッキはーお腹の中で串ごと溶かしてしまった。
シュワシュワと泡立てながら消えていくその光景はシンを惚けさせるのに十分な魅力で。
「それじゃあご飯食べたら次の仕事行こうか?」
「ぴき」
いつまでもぼうっとしてられない。ピッキーを肩に乗せてシンは前を向く。
貧乏人に暇はないことをシンは幼いながらに理解していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます