リサーチ

 黒旗は考える。

 ザイム省のどこに金が眠っているのだろうか。

 さっそくネット検索でリサーチだ。

 外国為替資金特別会計には、約191兆円の資金残高がある。

 国民の敵は、これを毎年度運用し、4兆円程度運用益をあげている。

 国民に対する直接的な利益はみあたらない。

 こんなにも恵沢に資金をかかえ、それでも奴らは増税を画策する鬼畜だ。

 底辺庶民をいじめて楽しいのか。

 黒旗はますます怒りがわいてきた。

 この金を吐き出させるためにどういう手法があるんだろう。

 底辺なりに考える。歴史に学ぼう。

 1977年ダッカ日航機ハイジャック事件で、オークラ省(ザイム省の前身)出身の時の総理大臣福田赳夫は「人命は地球よりも重い」といって犯人の主張をのんで身代金の支払いに応じ、加えて超法規的措置として6人の受刑者を釈放している。

 命の軽かった戦前生まれの福田でさえ人命第一で人質解放のためにあらゆる譲歩をしている。

 令和のひ弱な日本のエリート層など誘拐事件で脅せば簡単に取引が成立しそうだ。

 そうだザイム省関係者を誘拐してやろう。

 そして例の約191兆円を俺たち国民に返還するよう要求すればいい。

 ザイム省の管理している金はもともと国民の金なんだから俺たち国民に返すのが筋だろう。

 黒旗は、徐々にザイム省から国民の金をダッシュするイメージがわいてきた。

  

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100兆円ダッシュ!~国民の敵ザイム省 @ICHIRYU-SHOKO

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