僕は現実から逃げたかった

第2話 父の死から27年過ぎて

父さん、今でもあなたを思い出さない日は無い。

あれからかなり時間が過ぎて僕は今43歳になったよ。

一緒にお酒飲みたかったってパートナーに言ったら、分かるよって言ってくれたんだ。

父さんが天国にいってから色んな事があったんだ。本当に本当に色んな事が・・・。

何度も思ったよ。父さんが生きてくれていたらって。

心友やパートナーに父さんの写真をみせたら『カッコ良い』って言ってもらえた。嬉しかった。

今、思うんだ。

人って、大人になっても、完璧じゃないんだって。やっと分かったんだ。

あの時、父さんがどれだけつらかったか考えられるようになった。私が馬鹿過ぎた。

人を愛して、愛されることがどんなことか分かったんだ。

父さん、いつかまた会えたら、

父さん、好きって言えたら良いな。