桃
文字を読んでも
景色が浮かんでこない ボクにとっては、
音読なんて苦痛でしかなくて。
母の語り聞かせる昔話がなければ、
物語なんてキライになっていたかもしれない。
教科書の本文は並んだゴマ粒のようだ。
黒ゴマが規則正しく そこにばらまかれているのだ。
黒い点々……
そこに意味なんて見出だせない。
ボクにとって、
本に書かれた文字列は、アリの行列のように黒くて小さなものが並んでいるだけなのだ。
ようやくそれが文字だと判別できたとしても、
意味のあるまとまりとして理解するには
さらに時間がかかる。
だから、面白くないんだ。
楽しめないんだ。
内容を瞬時に読み取るなんてこと、ボクには『あたりまえ』ではないのだからさ。
意味のある単語が記してあると判明させるだけで、ものすごいエネルギーを使うんだよ。
だから直ぐに疲れちゃう。
すごく疲れちゃう。
わかるかい?
まず、黒くて小さなものが文字だと知る。
文字には意味のある並び方、まとまりがある。そう、単語だ。
単語とは、
単なる記号の羅列ではなく、意味をもった文字の並びなんだよ。
文字を意味のあるまとまりとして認識するのに
『分かち書き』がされていない文章だと
もう お手上げだったね。
小さな羽虫がそこに止まっているかのように、
小さな黒いものがきちきちと散りばられた紙面。
そんなふうに、
ボクは 文章を見ることが、楽しめなかった……。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『分かち書き』とは、
語と語の間や、文節と文節との間を1字分空けて書くこと。
「分かち書き」って、なんですか?
《参考HP》
光村図書
https://www.mitsumura-tosho.co.jp/webmaga/kotoba-to-manabi/kotoba/detail01#:~:text=%E3%80%8C%E5%88%86%E3%81%8B%E3%81%A1%E6%9B%B8%E3%81%8D%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E8%AA%9E,%E7%94%9F%E3%81%BE%E3%82%8C%E3%81%9F%E8%A1%A8%E8%A8%98%E6%B3%95%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます