猫部!〜猫だらけの高校生活〜猫がいれば日常がもっと楽しくなる
らーさん
一年目
第1話 ようこそ!猫だらけの部活に
高校入学から数日。授業が終わり、校内は仮入部や勧誘などの話題でにぎわっていた。
「どの部活も、大変そうなんだよね〜運動部は無理だし、文化部もそんなピンと来ないし…」
隣を歩いていた
「お前はいつもそうだよな、まあ私も似たようなもんだけど。」
「でしょ。だったら一緒に部活探そうよ。例えば〜この生物部とか!なんか緩そうじゃない?」
奏は貰った勧誘パンフレットを突き出す
「生物部か…確かに緩そうだしいいな!」
「だよね。それに見てこれ、猫の写真ばっかり、猫も飼ってるのかな?」
その瞬間、由衣がビクッと体を震わせた
「や、やっぱり辞めよう!生物部ってなるときっと生物の世話しないとだし、それに…」
言葉を濁す由衣に奏は首を傾げる。
「それに?」
「と、とにかく他の部を見に行こう。」
由衣が話をそらす
「まあ確かに他の部活も見ておこっか!」
―部活見学後―
「あとは〜ここだけ!生物部!」
「や、やっぱりやめよう!私たちに生物は合わないよ。」
「なんでよ〜他の部活は全部見たじゃん。あとはここだけだよー!」
「で、でも…」
「もう行こう!失礼しまー…ってなんだこれー!」
扉を開けると思いがけない光景が待っていた。
猫、猫、猫、猫!部屋の机や棚の上、キャットタワーの上など至る所に猫がいた。
「わー! 猫だー!」
奏が目を輝かせながら部屋に飛び込む。
一方、由衣はドアの前で立ち尽くしていた。
「な、なんでこんなに猫がいるんだ…?」
その時、奥の方からおっとりとした声が聞こえた。
「あら? 仮入部の方ですか?」
振り返ると、猫を抱えた優しげな女性、
「はい! 仮入部で来ました!」
奏が元気よく答える。
「ここって本当に生物部なんですか? 猫しかいない気がするんですけど」
奏が部屋を見回しながら尋ねると、渚はくすっと笑った。
「ああ、そうですよ。正式には『猫専門の生物部』、通称『猫部』なんです。」
「猫部…?」
奏が呆然とする横で、由衣はますます引きつった表情を浮かべていた。
「詳しいことは中で話しましょう。あの子達も歓迎してるみたいですよ。」
渚が指さした先では、数匹の猫が奏の足元に集まり始めていた。
「わっ、人懐っこい!」
奏が目を輝かせる一方、由衣は猫に触れないよう微妙に距離を取る。
「ほんとに大丈夫なのかここで…」
由衣が不安げに呟く中、奏はすっかり猫に夢中になっていた。
「にゃんにゃんパラダイスだね!」
奏が目を輝かせながら、猫たちを次々と撫でていると、渚がふと思い出したように言った。
「あ、そういえば仮入部の方に説明してなかったですね。猫部には一つだけ大事な規約があるんです。」
「規約?」
奏がキョトンとしながら振り返ると、渚は少し得意げに言った。
「部員は、一匹の猫を決めて、その猫に名前をつけることが入部の条件なんです。」
「名前をつける?それだけ?簡単じゃん!」
奏は安心したように笑い、部屋を見回した。
「じゃあ、この子にしようかな!このふわふわな白い猫!」
早速一匹の猫を抱き上げると、猫はニャアと小さく鳴いた。
「お名前は…『おもち』に決定!」
「おお、いい名前!」
渚がにっこりと拍手を送る中、由衣が急に不安そうに言った。
「ちょっと待て、なんかその名前をつけたら絶対抜けられないとか、そういう呪い的なオチじゃないよね?」
「違いますよ~。」
渚が笑って答えるが、どこか意味深な微笑みを浮かべている気がする。
「じゃあ、由衣もつけてみる?」
奏が楽しげに猫を差し出すと、由衣は慌てて後ずさった。
「ちょっと待て!私はまだ入部するなんて言ってないし、猫の名前なんて…」
その時、一匹の黒猫が由衣の足元に近づき、じっと見上げた。
「……ん、なに?」
由衣が視線を合わせた瞬間、猫は勢いよくジャンプして由衣の肩に飛び乗った。
「ぎゃああ!ちょ、おい、降りろー!」
「すごい!運命の猫だよ!」
奏が笑いながら指さす中、渚は優雅にまとめた。
「こうして猫が選んでくれるのも猫部の醍醐味です。これで二人とも仮入部ですね。」
「えぇぇぇ!」
由衣の叫び声が猫部に響き渡る中、猫たちは満足そうにゴロゴロと喉を鳴らしていた。
こうして、奏と由衣の猫まみれな部活動ライフが幕を開けた——。
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猫部!〜猫だらけの高校生活〜猫がいれば日常がもっと楽しくなる らーさん @ra_san
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