第26話 令息達の成長
月日が経過して私は14歳となり、王都にある高等科学園の入学試験を控えていた。レイバック辺境伯領からは私とファビオ以外にも、更生教育を無事に終え立派な令息達となったあの4人も含まれていた。
あれから4人は本当に努力したらしい。ケントからの厳しい指導にも、一度も音を上げずに最後まで見事にやり遂げ『厳しい指導を受け一人前の男達になりました』と報告があがり、それを聞いたお父様は4人を登城させた。私はファビオとともに成長した彼らの顔を見に行くと、私の姿に気づいた4人は一斉に跪いたの。
「「お嬢様、ご無沙汰しております」」
「久しぶりだね。ケントの厳しい指導を耐え抜いたと聞いて嬉しく思うわ」
「「勿体ないお言葉、誠にありがとうございます」」
少し陶酔しているのかと思うような4人の視線に、多少の戸惑いを感じたけど、立派な青年へと成長してくれたことを、本当に嬉しく思ったの。
「4人とも良い顔になったようだな。4人にリディの名を呼ぶことを認めるということで良いのかな?」
お父様は4人の成長を確認した後に、私の方へ顔を向けてから、リディアーヌと呼ぶことを認めるのかと聞いてきた。約束を果たしたのだから私の名を呼ぶことを認めたの。
「はい、私のことをリディアーヌと呼ぶことを認めます」
「「ありがとうございます!リディアーヌお嬢様」」
「今日、登城させた理由は他にもある。お前達はリディと同世代だからこそ任せる任務があるんだ」
「「任務!?」」
お父様が4人を登城させた理由は、成長した姿の確認だけではないと言った。その表情は先程までとは違って真剣なものとなり、お父様から伝えられる言葉を待った。
「翌年になればリディは15歳となり、王都にある高等科学園へ通うことになる。お前達4人には、リディの護衛の任務についてもらうことにした」
「「はい、命に代えてもおまします」」
お父様から私の護衛を頼まれると、右手を胸に当てて大きな声で返事をする。その様子を満足そうに見ていたお母様は、さらに4人のやる気にさせる言葉を伝えたの。
「ファビオという世代最強の婚約者が隣に居るとはいえ、1人よりも5人の方がより安全なはずよ。無事に任務を遂行できれば、卒業後にリディの騎士と認めてあげるわ」
「「はい、必ず任務を遂行して、お嬢様の騎士となります!」」
お母様の言葉は想像以上の効果があったようで、先程よりもさらに大きな声で返事をすると、最後にケントが4人に向けて声をかけたの。
「話は以上だ。入学試験に向けて準備を始めるように。ちなみにお嬢様はかなり優秀な方で、上位20名のSクラスになるはずだ。お前達もSクラスに入ることが、お嬢様の護衛として最初の任務になる。心しておくように!」
「「はい、お任せください!」」
4人は最後に私達に向かって一礼をしてから、城から去って行ったのだった。
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