第7話 我が国の制度

 休憩の後はお母様との授業で、王国貴族のシステムを学んだの。


「今日は、ファーガソン王国の貴族システムについての話をするわね。貴族の種類について知っているかしら?」

「それって、王家、辺境伯家、侯爵家、伯爵家、男爵家とか?」

「まぁ、リディはよく勉強してるのね!でも、一代限りだけど公爵家というのもあることも覚えていてね」

「うん」

「貴族の種類は6種類あって、その階級と役割は知っているかしら?」


 巻き戻る前の記憶があるので知ってはいるけど、ここは知らないフリをしておく。あくまで私は無能な娘であって、ファビオの引き立て役なのだから。


「王家が一番偉いの判るけど……、他はよく判らないかな?」


 私が判らないと答えるのを確認してから、ファビオは控え目に手を挙げてから返答した。


「はい、王家は王国の元首として全ての意思決定を行います。侯爵家は王家の指示を受けて国政を執り行います。伯爵家は侯爵家指示を受けて地方の政治を執り行います。そして、最も重要な職責を担うのが辺境伯家で、グラディス王国の侵略行為から国を護っていて、例え王家や侯爵家であっても、辺境伯家には口出しすることはできません。そして男爵家は、親貴族の下でサポートをするのが仕事となります」

「まぁ、ファビオはそんな所まで知ってるなんて、本当に賢い子なのね。それでこそリディに相応しいわ」

「ママ? 私がどうかしたの?」

「あっ、何でもないわ!」


 お母様が何か小声で言ったけどよく聞こえなかった。なのでなにを言ったのかを聞きなおしたけど軽く流された。そして、弱小国家であるファーガソン王国の貴族システムについての話は続いたの。


「王家については知ってると思うけど、長子が後継者となるのではなく、国王が次の王に相応しい者を指名するの。そして代が変わると公爵家は廃爵となり、直系の妹弟が新たな公爵家の当主になるの。侯爵家は伯爵家の中から新王に任命された者がなり、男爵家は親貴族に任命されるのよ。そして辺境伯家だけはかなり特殊で、王家からの影響を一切受けずに当主が後継者を決めるのよ」

「それはパパが認めた人よね? それってファビオってことでしょ?」

「まぁ、現状はそうなるわ。それにはミゲールに相応しい者だと認める必要があるの。だから認められるように頑張るのよ」

「かしこまりました」


 ファビオはお母様からの声援を受けて、力強く『はい』と返事をすると、私はその様子に笑みを浮かべていると、お母様が授業の終わりを伝えたの。


「さぁ、これで授業は終了よ」

「ありがとうございました」

「ママ、ありがとう!」


 こうして初日の授業を終えた。


 ファビオが後継者と認められる日まで、私は寄り添い支え続けるの。そう、全てはファビオの幸せの為に!


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