第4話 真相:闇の火種
クラムスは、過去を確かめるように話し始めた。
「私の前世、酒蔵の後継ぎの与吉という人間だった頃、町で見つけた、お雪という娘と結婚をするために、両親に紹介をした。
お雪は貧しい家の育ちだったため、両親は猛反対されたが、お雪と一緒になるため、私は何度も両親を説得した。
数ヶ月後、お雪は川に身を投げ亡くなってしまった。それは、思い詰めたお雪の自殺と思われた。
しかし、夜中の両親の会話を聞いた時、お雪は両親によって自殺に見せかけて川に落とされたことを知った。
怒りに震えた私は酒蔵に火をつけ、全てを終わらせた。」
そこまで聞いたダンケルは言った。
「そうだ。私の声が届かなかった。与吉を止められなかった。
与吉は急速に闇を求めたため、私は守護神としての資格を失い、担当ではなくなった。
私の役割は終わったと考え、自らリフレクターの光を自分に当て消え去ったのだ。」
クラムスは続けた。
「そこから私は全てを恨み、全くの別人となった。
ふとした時に、お雪のことを思い出した。
お雪は、こんな事を求めていない…
そこから意識が消え、気がついた時は川から飛び込み、人生を終えた。」
ダンケルは言った。
「最後に光を見つけてそうだが…」
「そうだ…、しかし、人生を終えた直後、守護神カールに対面し、こう言われたんだ…
”お前、お雪と一緒になりたかったんだろ?
これだけの闇を抱えているとなると、これから、お前は闇の守護神となる。
お雪は人間に生まれ変わる。
闇の守護神と人間では、その願いは永遠に叶わない。
この状況を打開する方法がある。私を信じるか?”
」
[シリーズ2作目]リフレクター:ブルーデイジーが枯れる前に 夜空たけし @tyasuka
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。[シリーズ2作目]リフレクター:ブルーデイジーが枯れる前にの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます