腐る恋

学生作家志望

恋愛体質

好きになっちゃたんだ、あの人のこと。自分は最低だ、ほんとうにきもいと思う。


鏡の前で死んだ目をした自分が自分の心を打ち付けた。殴るようにして叫んだ、ドライヤーは最大にして、髪はぼさぼさなまんま。なんの気力も出ない、でもそれも当たり前。自分はまた人を好きになってしまったのだから。



「好きって伝えたい・・・・・・」



伝えたらどうなるんだろう、なんて風に中学生の時まではずっとワクワクドキドキしながら考えてた。とにかく楽しかったんだよ、恋愛っていう冒険をしているようで。


それで、自分はある人を好きになった。結果的にその恋はかなわなかった。なににもならない、体が縛られているような脱力感。だけどその時はそれすら未体験で楽しさを覚えた。


「これもまた経験」こうやって誤魔化して、今・・・・・何回目だ?


浮気されて振られて、忘れるためにまた人を好きになった。そしたら周りから悪口を言われるようになって、結局また振られて、そしてまた恋をして、今もまた新しい人に好きという気持ちが積もってきて・・・・・・



もう嫌だ。自分が大嫌いだ。ちょっと優しくされたらすぐに気になってその人のことばっか考えて、好きになんてなりたくないのに、どうしてなんだろう、いつのまにかまたあの人を見ていた。


違う違うと誤魔化して学校に行くのはすごくつらい、全てが妄想なような気がするし。


何が恋愛だよ、みんな泣いてるじゃんか。中学の時はこんなんじゃなかったのに。恋愛なんて最低だ、やめないといけない。そう思うたんびに胸に空洞が開いて、寂しさをうんじゃう。


恋愛体質なんか消してやりたい、消さなきゃいけない。自分は最低だから、クズだから。


・・・・・・今日もまた隣の君を見ないようにしなきゃダメ。気持ちが誰かにバレないように、自分に、バレないように。





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