統合失調症妻の事件簿

第13話

玲奈と僕は、最近また新たな楽しみを見つけた。それは、ふとしたきっかけで始まった「探偵ごっこ」。最初は何気なく始めたことだったが、すぐにその楽しさに引き込まれていった。

「ねえ、あなた、これから私たち、探偵にならない？」玲奈が突然言い出した。

「探偵？」僕は少し驚いて顔を上げた。玲奈が何か思いついたのだろうかと思って、興味深く問いかけた。

「うん！私たち、家の中でちょっとした事件を解決する探偵になってみようよ。例えば、消えたお皿の行方を追いかけるとか！」玲奈は目を輝かせながら言った。

「それは面白そうだね。じゃあ、僕は助手として君をサポートするよ！」僕も楽しそうに答えた。

事件発生！消えたお皿

「事件だ！」玲奈が突然大きな声を上げた。

「どうしたんだ？」僕は慌ててリビングに駆けつけると、玲奈が焦った顔でテーブルの上を指さしていた。

「ほら、昨日食べたケーキのお皿が消えてる！お皿がどこにも見当たらないの！」玲奈が不安そうに言った。

「消えたお皿…。これは重大事件だ。」僕は探偵モードに入った。

「まずは容疑者を挙げてみよう。」玲奈は身を乗り出して、僕と一緒に考え始めた。

「そうだな…まず、僕はそのお皿を使った覚えがあるから、真っ先に容疑者としては外れる。でも君は昨日、お皿を洗っていたよね？」僕は冷静に考えてみた。

「うん、でも…私はそのお皿を棚に戻したはずなんだけど。」玲奈は首をかしげた。

「そのお皿が消えるなんて、何か奇妙なことが起きているに違いない。まずは、家の中を徹底的に調べよう！」僕は目を輝かせながら言った。

手がかりの発見

僕たちは家中を隅々まで探し始めた。クッションの隙間、机の下、棚の奥まで。だんだんと探偵ごっこが本気になり、真剣に調査を進めた。

「見て！ここに何かがあるよ！」玲奈が声を上げた。

僕が駆け寄ると、棚の裏から小さなメモが見つかった。そのメモにはこう書かれていた。

「犯人は、予想外の場所にいます。」

「このメモ、犯人からの挑戦状みたいだね…！」僕は興奮気味に言った。

「犯人は一体誰なのかしら？どこに隠れているんだろう？」玲奈もワクワクしながら答えた。

「もしかして…あれかな？」僕は棚の中にあるカーテンの隙間を指差した。

玲奈は目を見開いて「うん、そこだ！」と答え、二人で一緒にカーテンを引き寄せた。すると、そこにあったのは、見慣れない箱だった。

「箱…？」玲奈が驚いた声を上げる。僕は箱を慎重に開けてみると、そこにはお皿がきれいに並べられていた。

「これだ！犯人は、この箱の中に隠していたんだ！」僕は興奮して叫んだ。

「やった！解決した！」玲奈も嬉しそうに飛び跳ねた。

事件解決

「どうしてお皿がこんなところに？」玲奈は不思議そうに言った。

僕は箱の中をよく見てみると、お皿の下に一枚のメモが置かれていた。それにはこう書かれていた。

「犯人は…僕だ。お皿が見つかってよかった。」

「え？」玲奈は顔を赤らめて驚いた。「まさか、あなたが犯人なの！？」

僕はにやりと笑って答えた。「そうだよ。君が一生懸命探しているのを見て、少しだけからかいたくなったんだ。」

玲奈は恥ずかしそうに顔を伏せながら、「もう、びっくりしたじゃない！」と照れくさそうに言った。

「でも、君が本当に探偵になりきってくれたから、僕も楽しかったよ。」僕は彼女を微笑んで見つめた。

玲奈は照れながらも、にっこりと笑顔を返してくれた。「私も楽しかった。次はもっと難しい事件に挑戦してみよう！」

「もちろんだ。次は『消えた本』でも解決しようか？」僕は笑いながら提案した。

玲奈は目を輝かせて答えた。「うん、絶対に解決してみせる！」

その日の午後、僕たちはさらに次の事件を予測しながら、探偵ごっこを続けることに決めた。こんな小さな謎を解決することが、どんなに心を温かくするか、改めて感じた瞬間だった。

「僕たちの探偵団、これからも頑張ろうね。」僕は玲奈に向かって言った。

「うん！一緒に、いろんな事件を解決していこう！」玲奈は元気に答え、僕たちの探偵ごっこはますます盛り上がりを見せるのであった。

次回も、僕たちのちょっとした事件に巻き込まれながら、楽しい時間が続くことだろう