第19話 メロン大好き童顔ママ
「主人よ、世話になるな」
奴隷商会の門を叩く、今回はバンビーナが先触れを出していたので、接客もスムーズだ、こちらの世界では高額品を買う時の礼儀みたいなものらしい。
「これはオース様、ようこそお出で頂きました、大変良いタイミングでのご来店ですよ、
戦闘奴隷は充実しております、特に白虎獣人族と言う珍しい種族も入荷致しました、ぜひご覧になって頂きたいです」
▽
白虎獣人族の娘が目の前に現れた、特徴的な白と黒の尻尾、肉食獣特有の耳は雪の様に白い、体つきはしなやかで無駄な肉などついていない、それでいて出る所はしっかり出ている、
顔は均整のとれた美人顔だ、なんと言うかモデルさんみたいな雰囲気、
俺の顔を見てニッコリと微笑むのだけど、完璧スマイルで“作りました感”が凄いのだ。
その後も熊獣人族や狼獣人族の女性を見たのだけど、完璧スタイルとパーフェクトな笑顔、
なんと表現したら良いのか、ミス・ナンチャラとかに出て優勝しそうな女性達ばかりで遠慮させてもらった。
「これは困りましたな、我が商会自慢の奴隷がお気に召さないとは」
「これで全部ですか?」
「いえ、まだいますが、ここから先はグッとレベルが下がってしまいます、正直時間の無駄かと思いますが」
そう言って出て来たのは中学生くらいの童顔の女性、一瞬成熟前の奴隷、そう思ったが、
胸は巨乳、深夜アニメの定番ロリ巨乳、
最初の奴隷達みたいな引き締まった感はなく、荒事が苦手なタイプ、
トロンとした童顔は庇護欲をかきたてるし、俺みたいな童貞君は自信満々な女性は苦手なのだよ。
「これは羊獣人族の娘です、本人は娼館を希望しているのですが、売れる訳ないですよね、
買い手がつかずに困っているのですよ」
「特に問題はないと思いますが」
「身体は最高級ですが、顔が子供です、娼館では人気の出ないタイプですね」
前の世界の基準ならロリ巨乳は最高のはずだが、こちらの世界では童顔はハズレ扱いなのか、
「下層の娼館に捨て値で売っても、顔にハンカチをかけられて事に及ぶくらいなものです、あんな子供顔で春をひさげると思っているなんて、世間知らずにも程があります」
「難しいものだな」
「更にコブつきなのですよ」
「子持ちなのか?」
「獣人族は若くして子を産みますからね、珍しくはないのですが、子供と一緒じゃないと嫌だとゴネて、下層の娼館にも売れなかったのですよ」
「奴隷だろ、無理やり引き剥がして売ったりはしないのか?」
「そんな事をしたら奴隷法第4条、意に沿わない売買契約の禁止に抵触しますよ、
うちはまっとうな業者ですからね」
バンビーナを買った時に鞭をサービスしてくれた主人の言葉とは思えない。
「とりあえず話がしたい、近くに呼んでくれないか?」
主人が合図すると、羊獣人の女はゆっくりと近づいて来る、近くで見ると鹿獣人みたいな筒状の小さな耳とクルッと巻いた角が頭から生えている、
羊の角は創作物では得てして悪魔とかの象徴に使われたりするけど、この子の頭を見る限りでは悪い印象は湧いてこない。
「名前と歳を教えてくれ」
「マルチェリーナ、21歳でございます」
これで21とは童顔にも程があるだろう、
「子供は何歳だ?」
「今度9歳になります、ちゃんと聞きわけの出来る素直で真面目な子です、
手伝いもしますし、身体も丈夫です」
俺より歳下ですでに8歳の子がいるとは、異世界では年齢に10を足さないと頭がバグるな。
「子供も連れて来れるか?」
「一緒に買って頂けるのですか?」
「それは子供を見てから判断する」
しばらくしてやって来たのは小さな女の子、バンビーナよりも頭一つ小さい背丈、クリクリした瞳と人懐っこそうな笑顔、サラサラの髪からは小さな耳とチョコンとした角が覗いている。
幼ロリ娘を見て俺の頬が緩む、やっぱり女はロリに限る、
女の子を手招きすると、母親の方を見て許可を求めるが、一瞬で力関係を判断できたのだろう、ニコニコした笑顔で俺の前にやって来る、
「お名前教えてくれるかな?」
「ラムだよ」
「ママは好きかな?」
「うん、大好き」
「お兄さんはこれからママを奴隷として買うつもりだけど、ラムはどうしたい?」
「ラムもドレーにしてください、お片づけもするし、洗濯もするよ」
「主人、この奴隷を買いたい」
「かしこまりました、主従の首輪はいかが致しますか」
「子供の方は迷宮に連れていくには小さすぎるだろう、当面は家事だけを任せるつもりだから、母親だけで良いぞ」
「なるほど、それでは親奴隷の付属物と言う扱いにしておきましょうね」
奴隷に人権なんてない、ましてや奴隷の子供なんて親の持ち物扱いと言う世界だ。
支払いの段階で、例のごとくアイガス様から充分なお金を頂いております、と言って金を受け取ろうとしなかった奴隷商会の主人、
「参考までに最初の白虎獣人族を買うとしたら幾らになる? 教えてくれまいか」
「そうですね、金貨50枚と言ったところでしょうか」
金貨一枚で100万円、五千万円か、高いのか安いのか想像が追いつかない。
結局主人には“店の前で金を拾った、預かっておいてくれ”そう言って金貨を10枚渡した。
▽
プリメラさんが店番をする帽子屋に行って、黄色の帽子を買おうとしたが、童顔とは言え21歳のマルチェリーナが通学帽を被るのは痛い、
“黄色の帽子以外で何か気に入った物があれば買ってやる”
そう言ったら濃いエンジ色のベレー帽を持って来た、意外にセンスが良いぞ。
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