第12話 ロリを抱っこ

 ヘリオスさんとは休日にお互いの部屋を訪問し合ったり、食事を一緒に摂る仲になった、異世界では珍しいロリコン、

 俺の部屋を訪問する時には、手土産とは別にバンビーナへのお土産を持って来るガチロリだ、バンビーナを見る目が違うのが俺でも分かるよ、

 この前はシルクのワンピースをプレゼントしていた、これには鹿耳ちゃんも引いていた。

 だけどロリコンのいないこの世界では少女達はどう言った認識で変態を見ているのかな。


 今日もヘリオスさんを招いてのランチをして、今お客さんが帰ったところ、朝からランチの仕込みをして完璧メイドを目指していたバンビーナだけど、さすがに疲れているだろう、労ってあげよう。

「バンビーナ、おいで~」

「はい、ご主人様」

 ニッコリと満点のスマイルで俺の前にやって来た鹿耳少女、

「今日は朝から大変だっただろう、御苦労さん」

「いえ、お客さんをもてなすのですから、忙しくて当たり前です、だけどこう言った忙しさは苦になりません」


「ヘリオスさんも満足していったよ、

 ところでバンビーナは彼の事をどう思う?」

「どう?と言いますと」

「彼は小さい子が好きなんだよね」

「はぁ、珍しい方ですよね、ご主人様のお友達にこの様な事を言うのははばかられますが、わたしの事をエッチな目で見ていた様な……

 あっ、こんなブサイクな成熟前にそんな気が起きる訳ありませんよね」


 俺はそのままバンビーナを抱き寄せる、

 両脇に手を入れ持ち上げると信じられないくらい軽い身体、いつまででも持ち上げていられるよ、

 そのまま抱き寄せるとフンワリと甘い香り、

「バンビは可愛いよ」


 片方の手でバンビーナの腰を優しく抱き寄せ、もう片方の手でツヤツヤの髪を撫でてあげる、

 見下ろすとシカ耳の女の子は真っ赤な顔をして目を合わそうとしない、仕方ない寝たふりしてあげよう、

「今日のランチは美味し過ぎてついつい食べ過ぎたよ、しばらく寝るか」

 バンビーナを抱っこしたままソファに横になる、見た目10歳の女の子は体温が高くてお腹の上にいるだけでえも言われぬ多幸感に包まれる。



 寝たふりのつもりだったけど、本当に眠ってしまった俺、唇には柔らかな感触、

 薄眼を開けて見てみると、そこに従順奴隷少女の姿は無く、イヤらしい水音を立てながら俺の唇を貪るメスがいた、

 朝のキスよりも遥かに時間をかけた長い口づけが終わり、バンビーナは俺の胸に顔を埋め、小さな指で俺の身体をツンツンしている、まるで事後だ、俺は童貞だけどね。


 お腹の下の方が熱くなってきた、そろそろ起きるか、

「うーん、良く寝た」

 バンビーナは我に帰ったのか、

「わたし片づけの途中でした」

 そう言うとスルリとおれの胸から降りてトテトテとキッチンに行ってしまった、

“おいおい、俺もまだ途中なんだよ”


 トイレから出て来た俺を待っていたバンビーナ、

「かさねがさね申し訳ありません、ご主人様、欲しい物があるのですが宜しいでしょうか?」

「何だ、もっと抱っこして欲しいのか?」

 俺の言葉に首まで赤くしたシカ耳ちゃん、


「剣を買って頂けないでしょうか、ご主人様には遠く及びませんが、迷宮ではお役にたてます、けっして安くない買い物かと思いますが、どうか……」

 ロントラとの戦いで俺をサポートしたバンビーナは思う所があったのだろう、単なる荷物持ちではなく、戦える荷物持ちになりたいのだな。


 ▽


 工房街の武器屋に行きエストックと言う軽い直線の剣を買った、それと一緒に木でできた練習用の剣も買って街外れの空き地で練習、

 剣術は体格の差が大きい、身長が高ければ高いほど有利、バンビーナと向き合うとそれを実感、頭の上から振り下ろせば簡単に一本とれる、

 同じ剣を使っても俺の腕が長いから相手のアウトレンジから攻撃が出来ると言うメリットもあるし、

 何よりも体格の良い剣士は体重もあるので剣の当たりが重い、ここら辺はボクシングがどうして細かく体重別に分かれているのかを考えてみれば分かると思う。



 そんなハンディを吹き飛ばすかのようなバンビーナの俊敏な動き、数回太刀合わせをすると鹿の女の子は俺が剣を振り下ろすよりも先に動き出した、

 これは俺の予備動作を見て、次の動きを予想しているのだろう、動作が早いだけでなく勘も良い、

 俺が遅れをとる事はなかったがバンビーナは想像以上の剣士だった、

 最初の頃のドジっ子はどこに行ったのだ?

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