第11話 性癖吐露

 なりゆきでギルド職員のヘリオスさんをアパルトマンに招待することになった、こっちに転生する前もお互いの部屋に行ったりするような友人はいなかったので貴重な体験だ、今はヘリオスさんとお茶受けのお菓子を選んでいるところ。

「……オース様、鹿獣人の子に立派なカバンを買ってあげましたね」

「ああ、あれね、ランドセルと言うんだけどね、小さな身体で頑張っているんだから良い道具を買ってあげないと」

「あの、やっぱりあの子は可愛いですよね」


「小さい子はみんな可愛いよ、ヘリオスさん」

「そうですよね!小さい子が可愛いと思っても良いんですよね」

 何を当たり前の事を言っているんだと思ったけど、ここはロリコンのいない世界だった、あれ?だとするとヘリオスさんは突然変異のロリ好きなの。


 アパルトマンに行く道すがらヘリオスさんの話を聞いた、彼は女兄弟それも姉ばかりの末っ子で、いつも妹が欲しいと思っていたそうだ、

 そんな気持ちがいつの間にか小さい女の子が好きだと言う気持ちに変わって行ったようだ、

 迷宮ギルドで仕事をしていると成熟前の獣人の子が酷い目に遇わされているのを目の当たりにして心を痛めたそうだが、俺とバンビーナの関係を見て、心が洗われる思いをしたそうだ。

「……ボクにとってオース様とバンビーナちゃんは理想なんですよ」

「あの子は素直な良い子だけど、意外に頑固なところも有るんだぞ」

「最高じゃないですか、単なる奴隷と主人の関係ではなく、お互いの思いをぶつけることのできる相手ですよ」

 ヘリオスさん、頭の中で俺とバンビーナを理想化しているね。


「オース様、獣人族は群れで生活しているので、オスと言うかハーレムのリーダーに対する依存度がもの凄く高いんですよ、

 だから成熟前の獣人は群れから放り出されると死んでしまう子が多いそうなんです」

「それは悲しいね」

「バンビーナちゃんが元気なのはオース様をハーレムの主と認めたからなんですね」


 ▽


 アパルトマンのドアを開けると、メイド服を着たバンビーナが出迎えてくれた、キッチリしたメイド服ではなく、スカートはギリギリまで短く、スラリとした脚を惜しげも無く晒していて、上着はノースリーブ真っ白い肩を見せつけている、

 大人がこれを着るとエッチな感じがするけど、バンビーナの見た目だと健康的で元気な感じがする。

「お帰りなさいませ、ご主人様、

 いらっしゃいませ、ヘリオス様、ようこそオース邸へ、本日はわたくしバンビーナが …… えっとー …… ご自身のお部屋の様にくつろいでね」


 メイドらしい言葉使いをしようと精一杯頑張っていて微笑ましい、

「ご招待してくれてありがとう、可愛いメイドさん、これはお茶受けだよ、みんなで食べようね」

「はい、ヘリオスさん!」


 ▽



 それから一刻程三人でお茶をして心地良い時間を過ごした、冒険者としてお金は貯まって来たけど、何と言うか人として充実していない様な感覚があったが、こう言う時間を過ごすのが本当の贅沢なのかな、

 そんな時にヘリオスさんが爆弾を落す、


「あのー、ボクも成熟前の獣人の子を奴隷にしたいのだけど」

「はぁ」

「 …… 」

「実は結構前から色々考えていて、今の住まいも郊外の一戸建てにしたし」

「ヘリオスさん、奴隷は高いのですか?」

「いや、そんな事はないよ、ボクの貯金なら充分だし、今の給料なら二人分の食費に困る、なんて事もない」

「何が問題なんですか?」

「奴隷商人はギルド職員に奴隷を売った場合は、ギルドに報告が行くと言う制度があってね、ボクが奴隷を買うのは難しいんだ、

 いや奴隷を買っている同僚はいるけど、大人の奴隷ばかりだし」


 なるほど、ヘリオスさんが俺に接近したのは代わりに成熟前の獣人奴隷を買って欲しいからなんだね、

「ヘリオスさん、俺が代わりに奴隷を買えば良いのかな?」

「オース様、お願い出来ますか」


 ここでバンビーナが口を開く、

「あのー、それは難しいと思いますよ、奴隷を一時的に貸し借りは合法ですけど、他人名義で売買は違法になると思います、

 ヘリオスさんのお仕事にも差しさわりが出るかと思うのですか」


「そうなんだ、ゴメンね変な事言っちゃって、これからも遊びに来ても良いかな」

「もちろんですよ、ヘリオスさん」

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