第4話
真来は車を運転している。
矢野は口を開いた。
「真来ちゃん。生まれは何処?」
「仙台です」
「僕は東京生まれだから、故郷というものがない。故郷に帰るっていうのはどういう気分なんだ?」
真来は緊張しながらも答えた。
「自分の家に帰るという気分です。僕は社会人になって初めて東京に出て来たのでまだ東京慣れなくて…… 」
「ここには色々な夢を持った人達が集まってくるからね。じゃあ君はマネージャーになる為に東京に出て来たんだね」
「はい」
真来はしっかりと答えた。
「どうしてマネージャーになろうと思った
の?」
「それは…… 」
真来は急に顔を赤くして言い篭ってしまう。
「え?」
「ご本人を前にして恥ずかしいのですが、矢野さんの影なる生涯を見たからです。あのドラマを見てマネージャーになろうと決めました」
矢野は少々照れ臭いのだろう。
さり気なく窓の外を見た。
貝原君も同じ事を言ってくれたな……
「そう」
矢野はそれ以上は何も言わなかった。
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