第4話 整理

 言語を教えてくれるらしい。「あぁ」が「自分」であるとわかったように、「あぇ」は、「相手」らしい。カルムは 

「かるむ あぁ あお あぇ」

とゆっくり聞き取りやすく言ってくれる。

「いぃいぉうぁうぅうぇ」

 まだまだ何も知らない。そんな思いに純子は洗礼されなだら一日を終えた。

 カルムは床で寝るようだ。彼女はベット..?に寝かされた。



 ふぅ...。とにかく初日にこうして贅沢な生活が出来たのはよかった...。

ただ、なぜカルムはここまで私に優しくしてくれるのだろうか。なにか企んでいるのか?なんだろう。食べられるのだろうか。今は見えない街の住民に均等に分け与えられ...。

 いややめよう。もっとポジティブに..。もっと明るい未来を...。

 まずまずこの世界は何なんだろうか。目が覚めると見たこともない森にいた。そうすると何かに足を捕まれ、地面に引きずり込まれる..。再度目が覚めると木の根元に..。もうこの時点で謎だ。謎でしかない。まぁ気にせず辿っていこう。なにかの視線を感じ、走り出す。そうすると断崖にたどり着き、まっっっ白な街が広がっていた。そこでカルムと出会ったのだ。そういえばあの子どもはなんだろう。カルムは一度も子供のことに触れていない。いや、もしかしたら言語が理解できていないだけで触れていたのかもしれないが..。カルムの存在についてはまだ謎が深いままだ。なぜ森の中であった見ず知らずの人になぜここまでしてくれるのか。あぁもう全くわからない。

 あとは"言語"だ。聞き取りやすいことに助かったがなんだあれは。日本で言う母音とか行のみで発音されている(ような気がする)。えぇー..っと...。"私"はたしか"あぁ"だったよな。ややこしい..。まずまずなんでカルムは私に言語を..?

 この世界でわからない事の解決はカルムの謎の解決で少しは進むのだろうか。


 気づかぬうちに、彼女は眠りに落ちていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る