第3話 言語の理解
カルムは心配そうに話し続ける。
「かるむ あぁかぁ あお あぇかぁ
きぁけぁいぅあぇかぁ」
理解できない。互いの名前しか。純子が困惑した顔をしていると、カルムは純子の手を掴み、少女と共に連れて行かれた。
街だ。白い。眩しい。
見たところ人はいないようだがここにカルムの家があるのだろうか。純子の心からは疑問の渦が晴れない。なされるようにするしかない。この世界のことを何も知らない純子であった。
家の中に連れてこまれた。白い。ただ、家の中に光源がないのだ。あるのは窓一つ。ただ、内装もすべて白く統一されているため、暗くない。
この街の住民の工夫だろう。家の中までギンギンに明るかったらもう目が耐えられない。なぜそこまで"白"にこだわるのか。純子には理解できなかった。
椅子に座らされた。一時の安らぎなのか、これからの地獄の待ち時間なのか..。
...前者だったようだ。子どもは横で遊んでおり、カルムはまだ戻ってこない。
しばらくまった後、カルムが戻ってきた。石板と石を持っている。何をするつもりだろう。
無言のまま、なにか綴り始めた。読めない。なんだろうこの文字は。へんに曲がり、全体的に曲線で構成されている。日本では見ない。
カルムが口を開いた。まず片手でカルム、片手で石板の一文字を指差し、
「あぁ」
と一言。どうやら言語を教えてくれるらしい。何も知らない純子にとっては最初に合ったのがこの人で良かったという気持ちしかない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます