第1話 謎の神の刻印
目が覚めたら、私は子供になっていた。
謎の神から「転生」と言われていたので、赤ん坊からスタートするであろうことは予想していた。しかし、気付いた時にはある程度の育った子供だったのだ。
スタートが赤ん坊で無い疑問については、すぐに解消される。その理由は謎の神が残してくれた存在が教えてくれたからだ。
私の胸には謎の刻印が記されており、その刻印を通じて転生後の生活をサポートくれているのである。謎の刻印は、私を転生させた謎の神が与えてくれたものらしく、疑問など抱くと自然と頭に知識や答えなどが思い浮かぶ。
謎の刻印が何なのか疑問に思ったところ、「外ツ神の刻印」と呼ばれているたそうだ。謎の神は「外ツ神」の一柱らしく、刻印は外ツ神の簡易的な加護の様なものらしい。「外ツ神」とは何なのか疑問に思ったが、後で自分で調べる様にという返答が頭に浮かんだ。
外ツ神の刻印は様々なケースで与えられる様だが、転生者に対しては転生させた神が気に入った者に与えられるとのこと。原則として転生者には与えられるのだが、転生を希望するか問われた際に無礼な態度や神の気に障るようなことをすると、刻印を与えられずに転生させられるそうだ。
過去の転生者には、英雄として扱われる者や厄災を齎した者など様々な者たちがいるらしい。そのため、この世界では総じて転生者に対して厄介者の様に扱われることが多いのだとか。
そのため、刻印を授けずに転生させた転生者たちは赤ん坊や子供の内に殺されてしまうことが多々あったらしく、せっかく転生させた者たちを安易に殺させないために、転生させた刻印を与える様にたったそうだ。
刻印には様々な恩恵があるが、他者の害意によって殺害されることを防いだり、赤ん坊から自我を持ち始めた頃に記憶を取り戻させる機能などが主になるらしい。
私が子供の段階で目が覚めたのも、自我が芽生え始めたため、記憶が戻ったと言うことだろう。かつては、生まれてすぐに記憶があると不気味がられて殺されてしまったり、過去の転生者の中には赤ん坊として生きることへの羞恥心が大きかったこともあり、今では刻印よってサポートされているらしい。
そのため、自我が芽生え、記憶が戻った段階で、なるべく子供らしく振る舞う様になど、この世界を転生者として生きていくアドバイスが頭に流れ込んだのである。
外ツ神の刻印のサポートの恩恵を得て、私は謎の神に無礼を働かなくて良かったと沁み沁み思ってしまう。外ツ神の刻印を得ずに、赤ん坊の時から転生者として振る舞っていたら、殺されてしまったかもしれないのだから。
外ツ神の刻印とは転生者だけに与えられる者だけでは無く、外ツ神々が興味を抱いた者にも与えられる。そうでなければ、外ツ神の刻印を持つ者=転生者と言うことになってしまう。
そうならないためにも、転生者以外にも与えられるのだが、それでも外ツ神の刻印と言うものは極めて珍しい。
しかし、私の目の前には外ツ神の刻印を持つ者がいる。この者は、果たして転生者なのだろうか?
それとも、異なる外ツ神の刻印持ちなのだろうか?
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