第7話 準1級の利点と問題集

 漢検準1級に合格して何の役にたつのか。これは漢検受験者にとって興味があることではないかと思われます。多くの意見では、漢検は2級までで十分で、準1級以上は普段使うことがないので、不要だという意見が圧倒的に多く聞かれます。準1級を勉強する前は私もそのように思っていました。でも、実際に勉強してみるとそうでもないように感じます。例えば湿疹しっしん斡旋あっせん凱旋がいせん贋作がんさく罵倒ばとう梱包こんぽう、これらは準1級の書き取りの頻出漢字ですが、普段使用されている漢字です。ただ、漢字で書く機会がないというだけです。準1級と1級の違いは、準1級は普段使用されているけれど漢字で書くことがない。1級は普段使用されていなければ漢字で書くこともないということだと思います。漢検準1級はけっして漢字マニアの域ではありません。以下、漢検準1級を勉強したことで得られた効用を述べることにします。


 ・私は小説を執筆してサイトに投稿していますが、小説を書き始めた当初は、やはり語彙力の無さに悲観していました。適切な語彙がないか類語辞典やインターネットで調べて語彙をさがしていました。でも、漢検を勉強したことで語彙を調べる程度はかなり減少したように思います。また、漢検2級や準1級で学習した語彙もかなり使用しています。


 ・難解な書籍が読めるようになった。今まで難解で最後まで読むことができずに挫折していた書籍を、2回目の漢検準1級受験後に読んでみたところ、最後まで読むことができたことに驚いています。もちろん全て理解できたわけではありませんが、読過どっかできたこと自体が私にとって進展だったわけです。これは漢検準1級を学習した成果だと思われます。


 ・漢字に興味を抱くようになる。2級合格後はそれほど感じていませんでしたが、準1級合格後は漢字に興味が湧くようになりました。普段目にする漢字で分からない漢字があれば、調べようとしたり、覚えようとしたりと、これまで気にも留めていなかった、漢字に関する知識に興味を抱くようになりました。これによって、より語彙力の向上をめざすことが出来るのではないかと思います。


 ・漢検準1級以上の合格者は、漢検生涯学習ネットワークに無料で入会することができます。目的は、漢字・日本語の学習に励みたい方のために、研鑽けんさん・交流を設けることを目的としています。会員には漢検生涯学習ネットワーク会員証が発行され、知的充実感を得ることができます。


 最後になりますが、私の経験とSNSや投稿サイトなどを参考にして最低これだけやれば、漢検準1級の合格レベルに達するという問題集を上げておきます。

 ・史上最強の漢検マスター準1級(ナツメ社)

 ・史上最強の漢検マスター準1級の付録の例題(ナツメ社)

 ・頻出度順ひんしゅつどじゅん漢字検定問題集準1級の付録の四字熟語(成美堂)

 問題集が一冊と付録が二冊のみです。あと、試験慣れや実力を図るために直近の過去問は解いておいた方がいいと思います。問題の難易度や本人の調子にもよりますが、上記の3点は私的に合格するための最も効率的な問題集だと思います(責任はもてませんが)。

 その他に挫折してしまうような場合は、漢検ポケットでる順準1級(旺文社)か、分野別漢検でる順問題集準1級(旺文社)から解くのもおすすめします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

漢検のすすめ さかた けん @s2378t

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ