第5話 漢検準1級3回目

 2回目の試験の不合格の結果を踏まえて次回に向けて計画を立てました。まず、時間が足りなかった件については、普段書き取りの練習をする時に雑に書かないで、正確に書くことを心掛けました。くせ字については、模範解答通りに書くように心掛けました。その他、四字熟語の問題を3問落としていたため、ノートに四字熟語の読み、書き、意味をまとめ正確かつ迅速に解答できるようにしました。また、読みの強化に取り組みました。漢検準1級の難点は共通の漢字と誤字訂正です。この2つの設問がほとんど出来なかった場合は、他の問題でカバーしなければなりません。しかし、どの設問も難問ばかりです。一般的に四字熟語がカギを握ると言われていますが、四字熟語で9割以上得点した場合は3点以上カバーできます。しかし、読みで9割以上得点した場合は6点以上カバー出来るわけです。読みを強化することは合格に大きくつながると考えました。


 読みを強化するため、漢検マスター準1級の別冊に載っている準1級漢字音訓表・表外漢字の読み(例題)を覚えることにしました。例題は約1950題です。この読みの例題は、2回目の勉強をした時に覚えようとして挫折していたものですが、この別冊の例題を覚えることによって読みの強化を図りました。


 問題集は漢検マスター準1級、漢検でる順準1級、本試験型漢検準1級の3冊にしぼって勉強して、出来なかった問題はノートにまとめました。直前まで問題集を解いていましたが、受験日の10日前からは前回と今回作成したノートを中心に学習しました。


 試験直前にまた過去問題集準1級を解いてみました。結果は平均点が171点。難化しているため点数はあまり伸びませんが、回ごとの点数は安定してきているような気がしました。


 3回目の漢検準1級受験日。今回で漢検の挑戦は終わりにしたいと思い気を引き締めて臨みました。今の実力では十分合格出来ると思っていました。しかし、前回と同じ過ちをまた犯してしまいました。緊張しているなか慎重に書こうと思い、また時間が足りなくなってしまったのです。後半は焦燥しょうそうのあまり手が震えてうまく字が書けなくなるという失態を犯してしまいました。そのためケアレスミスで7点落としてしまい、しかも書いた文字がつたなくて正答になるか分からない最悪な状況になってしまったのです。これは性格的なものなので仕方ないことですが、今まで数々の試験を受けて来たなかで、思うように字が書けなくなるという経験は初めてのことです。情けなくて試験が終わった後は悲壮な思いで帰路に着きました。


 試験を終えた感触では、前回と同じ位の出来だと思っていたので、今回も合格点に達していないと思っていました。が、自己採点した結果は166点でした。しかし、自分が書いた字が正解になるか自信はありませんでした。


 1ヶ月半後、漢検協会から大きい封筒が届いたので合格を確信しました。点数は164点でした。失点は、さんという字の覚え間違いによるものでした(注1)。


 合格できた勝因は読みと四字熟語に特化したことが大きかったと思われます。共通の漢字の正答が4割、誤字訂正の正答が6割、この二つの設問の失点をカバーしたのは、9割を超える点数を獲得した読みと四字熟語だったわけです。したがって、これらの対策をしていなければ、おそらく不合格になっていたと思います。


(注1)漢検準1級の漢字のなかには複雑な漢字もけっこうあります。新しい漢字を覚える時は、一画一画を丁寧に覚えた方がいいです。また覚えた後も、正確に書いているかどうか確認した方がいいと思います。間違って覚えてしまうと、そのまま気づかないで漢字を書いていることが多いからです。そして間違いに気づくのは、概して過去問や実際の試験の自己採点をしている時です。とくに実際の試験の自己採点をしている時に間違いが判明した時は、発狂してしまうほどの怒りを覚えます。私の場合は、受験後の自己採点で1、2個の間違いを見つけました。そのようにならないため、新しく漢字を覚える時は正確に覚えるように心掛ける必要があります。

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