舌マニア。

いつもシンプルだけど、オシャレ。歳も30いってないくらい。チップもスゴく弾んでくれる。プレイ内容はただわたしの舌をじっくり観察した後、たっぷりと味わうだけ。

超上客だ。

けど、条件がある。

会う前に、アイコスは吸わないこと。

徹底的に口内ケアをした。飽きるくらいにマウスウォッシュ。手持ちの口臭タブレットが無くなった。

は〜っ。

手のひらに息を吐いて、口臭チェック。完璧だ。いい匂いしかしない。

待ち合わせのラブホテル。超高級店。やっぱ、金持ってんな。

ドアを開けると、舌マニアが笑顔で招いてくれた。いつものように柔らかい優しい雰囲気がただよってる。白ニットにダークグレーのテーパードパンツが似合っている。

「サクラちゃん、待ってたよ。来てくれて、ありがとう」

舌マニア。名前は知らない。ただの上客だ。

恐ろしく広い、フロアに招き入れてくれた。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい