第7話 変態!?拳秀さんっ!!

秀世「えっぐ…えっぐ…」


秀世ちゃんが泣いている。中身は兵器のような武闘派天使の癖になんて儚げなんだ!

…外見だけは男の理想に見えなくも…ごほっ!


三月「ご…ごめんよ秀世ちゃん。強く言いすぎちゃったかな…」


秀世「ち…違うのです…三月おとうさま。ショックを受けているのは…わ…私が必死に考えて準備した召喚攻撃が…結局は私のお小遣いを減らす技くらいしか使えないことが分かって…ひっぐ…」


「(そっちかよ…この…戦闘民族がっ!)」


さすがの親父も…一瞬遠い目をしかけて…すぐ復活!


三月「だ…大丈夫だ。君の二番目の召喚攻撃…拳秀くん召喚は使えるっ!」


「いや…親父…ヤバさしかないだろう」


秀世「だ…駄目ですおとうさま。あの見返りには続きがあるのです。…四回目の召喚デートではアナルセックスの強要…五回目はSM部屋に連れ込まれて…」


「そこまで詳しく言わんで良いっ!」


三月「拳秀くん召喚は効果絶大で実用性充分…着眼点は良いんだ…後は…見返りをチャラに出来れば!」


秀世「だ…ダメです…拳秀お兄様に本気で迫られたら…私…抵抗出来ないっ!!」


「…あんた…拳秀さんのこと本当は好きなんだろ!そうなんだろ!」


三月「まあまあ…秀世ちゃんが拳秀くんからの凌辱を心から望んでいるなら止めないが」


「止めろよ親父っ!…実の兄妹だぞ」


三月「そうでないなら良い方法があるんだ」


秀世「!教えてください!」


三月「拳秀くんは元々君のサポートなんだろ?」


秀世「?…は…はい」


三月「だったら簡単だ。君がピンチになったら叫ぶんだよ『お兄様助けて~、見返りなしで!!』…あ、最後の確認は社会人として重要だよ。それで彼は飛んでくるだろう」


秀世「盲点でした!」

「ちょっと待ってよ…そんな簡単な話なの!?」


三月「そんなもんだよ。なあ!拳秀くん?」


拳秀「…はい」


「うわああっ!」

沙織「ひやああっ!」


…突然、俺の後ろに強大な気配が現れた!!

平然としているのは…親父と秀世ちゃんだけ…


拳秀「さすがですね…三月老師。でも…恨みますよ…その種明かし」


劉拳秀さん、強大な功夫を誇る屈強な男が現れた…瞬間移動テレポーテーションかよっ!



拳秀「優くん、初めてお目にかかる。拳秀けんしゅうという。以後よろしくお願いする」


「はあ…ご丁寧にありがとうございます」


拳秀さんは、そんな妹を溺愛する倒錯趣味を持つとは思えない好青年だった。


拳秀「老師…恨みますよ。折角、愛する秀世の純潔を奪えるチャンスだったのに」


訂正、ただの変態野郎だった。



三月「まあまあ、拳秀くん、俺は君のためも思って言っているんだよ。君は若い…君はこちらの世界の恐ろしい常識を知らないんだ」

拳秀「くっ…若いのはその通りです。教えてください老師…その…恐ろしい常識というのを!」

三月「いいだろう!いいかい?…実の妹と貫通に及んだ兄はな」


拳秀「はい」


三月「早晩…インポになるんだ!!」


拳秀「なんですと~~」


三月「君に!…その覚悟はあるのか!!」


拳秀「くっ!あります!」


…即答かよ!このど変態!!

沙織「パパちょっと待って!あなたやっぱり妹ちゃん(五月さつきさん=親父の実妹、ウルトラグラマー美人)と何かあったのね!?きりきり吐きなさいよ!」

三月「馬鹿だなあ?早晩インポになるって言っただろ?俺がインポかどうかはお前が一番知っているだろうが。分からないなら今晩身体の隅々まで教えてやるぞ!」


沙織「それもそうね!パパだ~い好き!」

「…」


もはやこの夫婦については…何も言うまい。

拳秀「くっ!老師、俺には分かりません…あなたは…実妹を愛してはおられないのか?」


三月「愛しているとも!無償の愛だ!!」

「…」

沙織「…」


また…まったく似合わないことを…


「親父…本音は?」


三月「いや…実の兄妹なんてさ…抱こうったってさ…俺が五月のおむつとか変えてたんだぜ。あいつのネションベンとかウンチ漏らしとか鼻水だらだらとか日常茶飯事だったんだぜ。なんならあいつの鼻水、俺がチューブで吸い出してやったんだぜ?」


拳秀「そ…そうです。秀世も同じです。おねしょはするわ、学校でウンチを漏らしたとかで呼び出されるわ。田んぼに落っこちたとかでドロドロで抱き着いてくるわ。それでもそんな妹が奇跡のようにこんなに美しくなったのです。処女くらい奪っても文句は言われないのでは」


いや、言われるんじゃない?…文句。


それと…


「秀世ちゃん、あんた…子供の頃そんなことあったんだな…」

秀世「…お兄さま、お口をお閉じくださいな!これ以上たわごとをおっしゃるなら…『打診棒』の最強兵装ハルマゲドンが火を噴きますよ!!」


『ハルマゲドン』って何だ!?その場の全員がそう思ったが…あの拳秀さんが真っ青になって黙り込んだので…みんなとりあえずスルーを決めたのだった。


※後に『ハルマゲドン』は、広域殲滅用超電磁兵装で…そんなものを使われた日にはあたり一面焦土と化すことが分かった…




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