第13話

部屋にいない私に彼は驚くだろうか?




それとも、怒るのだろうか?




名前も“知らない”彼は――…………。




……いや……




聞いたかもしれない。




けど、覚えてないし、覚える必要もないだけ。




だって、そうでしょう?




私は、ノラ猫なんだから。




そんな私に、必要のないものはいらない。

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