第12話

本当に私にぴったりなのかもしれない。




帰る場所もなく、当てもない。



「……。」




何の感情もなくベッドの下に散らばる服を拾い上げ、未だに火照る身体に手早く服を着る。




服を着ると踵を返して、入口に向かう。




「――さようなら。」




部屋の方に振り返り、ぼつりとシャワーを浴びているだろう男に呟いた。




―――きっと聞こえてはいないだろうけど……

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