第11話

野良猫、ねぇ。




「……そうかもね。」




お似合いかも知れない。




幾多の男達を渡り歩く、私には。




「ふっ、」



私の答えに笑った男がベッドから立ち上がる。




「シャワー浴びてくる。」


「――…うん。」




男の言葉に頷き、バスルームに消えるのを見届けて、ゆっくりと気だるい身体を起こす。




しばらくすると、男が浴びるシャワーの音だけが静かな部屋に響く。




「……。」




ベッドの下を見渡せば、無残に散らばる衣服。




それを見ても、何とも思わないのは、私の感情が麻痺しているからだろうか?




“野良猫”




男の言葉が脳裏を過《よぎ》る。

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