第12話

絵里香は段々と伊庭と一緒にいる時に、息苦しさを感じるようになっていた。

2人で控室にいる時も、絵里香は伊庭の指先が気になっている。

こうしていても、絵里香の仕事のオファーの電話が伊庭のケータイに掛かって来た。

伊庭は絵里香から離れた場所で、電話に出た。

穏やかで優しい声。

絵里香はその声に耳を澄ませていた。

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