第8話

「絵里香が女優になる?何を馬鹿な事を言っているんだ!絵里香はバカアイドルでいいんだ!今の人気を棒に振るつもりか!」

社長は烈火の如く怒鳴った。

だが、伊庭は一歩も引かなかった。

翌日の社長室の中である。

「雨宮ファミリーの一員になった事で絵里香の人気が保たれているのは事実です。ですが絵里香の本心は女優になる事にあります。僕は絵里香の夢を叶えたいんです」

「そうは言っても絵里香には演技なんか出来ないだろう」

社長はタバコを一本取り出した。

だが、その言葉を聞いて伊庭の顔が輝いた。

「という事は演技が出来れば、女優としての仕事を認めて頂けるのですね?」

「絵里香には無理だ。バカアイドルが限度だ。後2年持てばいいだろう」

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