第24話

夏の甲子園予選大会の準々決勝の試合が行われた。

春風高校対強風学園の対決だ。

心結は奈緒と一緒に球場で応援していた。

智樹は1年生ながらピッチャーとしてマウンドに立っていた。

ジッとしているだけでも汗が流れ落ちる。

実際に試合をしている選手の疲労度はハンパない。

現在は8回裏。

春風高校が1点リードしていた。

今は春風高校の攻撃だ。

バッターボックスに立つのは3年生のレフト、飯田だ。

強風学園のピッチャーの球を思いっきり振ったが空振り三振。

この回は3人に押さえられ試合は9回に入った。


「此処で0点に押さえたいよね」

隣で奈緒が赤いメガホンを握りつぶすような勢いで握っている。

「うん」

心結の顔も引き締まっている。

9回表。最初のバッターは空振りの3振。2人目も既にツーアウト。そして3球目に放ったヒット。これでランナーは2塁に立った。

心結は祈るような気持ちで、グランドを見つめた。

3人目は3振で消えた。

こうして春風高校はベスト4に進出が決まっ

た。

観客席は喜びに包まれた。その中で、

心結と奈緒は抱き合って喜んだ。

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