第22話

オーディションの日がやって来た。

河内恵の弟役のものである。

暖希は書類審査に合格し、第2次審査に進んでいた。今度はダンスの審査があった。

暖希はヒップホップを踊った。

そして次は演技審査である。

難しい審査だった。

演技次第で悲しくも可笑しくも出来る内容だった。

演技力が試された。

だが暖希はそれをクリアした。


第3次審査は実際にドラマの台詞を言う。

相手役の役者と演技しなければならなかった。

「うん。5番なかなかいいね」

暖希の演技は審査員に好評だった。

だが選ばれたのは3番の青年だった。

帰ろうとした暖希を1人の男が呼び止めた。

「君、惜しかったね。しかし君には弟の友人役をやって貰いたい」

プロデューサーの男の言葉に、暖希の顔は輝いた。

「ありがとうございます!よろしくお願いします」


暖希は早速貰った台本の田原和也の台詞に赤線を引いた。

名前のある役を貰うのは初めてだった。

暖希は早速部屋で台詞を言い始めた。

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