第5話

「お疲れ。お腹空いたでしょう。カレーあるから」

暖希がバイトから帰って来ると、台所に心結がいた。

「ああ、ありがとう」

心結は早速カレーを温める。

暖希はジャンバーを椅子の背に掛けると、ダイニングの椅子に座った。

待つほどもなく、チキンカレーとマカロニサラダが出される。

「いただきます」

「はい、どうぞ」

暖希は早速カレーを食べ始めた。

「美味しいよ」

「それはどうも」

心結はダイニングの椅子に座って頬杖を付いていた。

「ねえ。今度のオーディションいつだっけ?」

「1ヶ月後。だから今は毎日基礎練習」

「ふぅーん」

「興味ないか?」

「それなら訊かない」

「だよなあ」

「ねえ、暖ちゃん。小説家の部屋に夕飯運んでくれる?」

「また?」

「そう。きっとまた食事の時間忘れてパソコンに噛り付いているよ」

「しようがないなー。小説家は」

暖希は苦笑いしながらカレーとマカロニサラダと水の乗ったお盆を受け取った。

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