第4話

「玉ねぎ5個、じゃがいも10個、にんじん

…… 」

商店街の八百屋の前で、心結は店主に言っていた。

「はい。重いよ。心結ちゃん、いつも大変だねー」

店主から袋を渡されて、心結は両手に袋を抱えて帰る。

このために心結のカバンはメッセンジャーバッグになっていた。

「あー重い!」

こうして家に帰ると、まずは自分の部屋に入ってセーターとGパンに着替える。黒いエプロンを着けて夕飯の支度に掛かる。

今日はカレーだ。

はっきり言って男4人が食べるのだ。心結と大家の母親を入れても10人分は必要だ。

手早くじゃがいもの皮を剥く。

母親は別に仕事を持っている。

下宿代の収入だけでは生活はキツい。

だから母親は事務の仕事をしている。

そのため、夕食は心結が作る事も多かった。

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