女の企み
――何も起こらなかった。
「ふ」
牛車の内から、女が笑う声が聞こえる。
「そんなことは、私だって試した」
「総てを知る鬼だと、
「独りで、歌を考えているふりをして、詠んで、
「また男に言い寄ろうと、歌を
女に、友則が言って、望行は袖で口覆いして、笑いをこらえた。
女の
俺は
惟喬親王(これたかのみこ)
母は
東宮(とうぐう)
皇太子の
歌を
歌を一生懸命、考えて、ぶつぶつ言っている
正身(しょうじみ)
正体
「吾も歌を読んでいたのだがな」
「
友則が言うなり、女は嘲った。
空言(そらごと)
うそ
「日記の歌を読んでいらっしゃったのは、そのためだったのですか」
貫之は驚く。
「それを言うなぁ~」
振り返る友則に睨まれて、貫之は、どうして言っていけないのか、わかってない。
「ほほほほほ」
女が
「歌を
「少しも謝っていないではないか」
友則は、
日記の歌。
友則たちがいた
母屋(もや)
廂(ひさし)
建物の中で、外に最も近い部屋
田舎渡らい(いなか・わたらい)
地方勤務
「さて、
女の声は笑み声のまま、言った。
「やはり戯れ言を言いに来たのではないか~」
友則は、はちぶく。
戯れ言(たわぶれごと)
冗談
はちぶく
ぶつぶつ、文句を言う
「
女が言った。
帝に
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます