その異世界裁判官はチートスキル持ちにつき最強です!?

藍無

第1話 異世界裁判官に転生した。

私は裁判室をでて、家に帰る途中で今までのことを思い出していた。

えーっと、私はこの異世界で裁判官という職業についている。

そして私は、この異世界に転生した転生者である。

前世ではごく普通の学生だった。

ある日、飼っている猫を追いかけていたら、トラックにひかれ、死んでしまった。

そして、気が付いたらこの体に転生していたのだ。

私は、今世では人の過去を見る力を持つ家系に生まれた。

その家系は、その力を生かして、裁判官という職業を今まで代々務めてきた。

私は一人っ子だったため、私が裁判官を務めることになった。

別に私は、平凡に生きていければいいし、この特別に過去を見ることができる力も、誰かのために使えるのなら、そうしたいと思っているので、裁判官になって良かったと思っている。

私の過去を見ることができる力というのは、どのように使うのか具体的に言うと、裁判にかけられたものの過去を見て、正しい判決を下す、ということなのだ。しかし、過去を見るのが私一人だと、客観的に見ることができないかもしれないし、賄賂などに裁判官が屈したら終わりである。なので、この過去を見る力、というのが、20年ほど前から、映像を目の前に映し出し、他者に見せることができるようになった。その過去の映像を映すのが、『映影機』という機械である。

前世のもので例えると、映影機は、プロジェクターに似たものだ。

過去を見る力を持つものが、その機械に、手をかざすと、映像が映る。

そして、その映像を見た裁判官_私と、裁判員たちで判決を考えて、下す。

そう言った仕組みになっている。

そうすることで、裁判官の責任も少し、軽くなる。

しかし、やはり裁判官というものは憎まれるものである。

その判決がどの人にとっても素晴らしい判決だということはあり得ない。

私が思う正義と、どこかのだれかが思う正義は違うかもしれない。

そして、憎まれ、ねたまれてしまうかもしれない。

そしてその恨みが、頂点に達したとき、人は恨んでいる者を傷つけようとする。

私は、一人っ子なので、私が死んでしまっては過去を見る力を持つ血筋が途絶えてしまう。すると、当然過去を見る力も持つ人が居なく無くなってしまい、裁判で正しい判決を下すことはかなり難易度が上がってしまう。

裁判官には恨まれて傷つけようとされても、それをよける力が必要である。

つまり、強さが必要なのである。

私は一人っ子だったため、裁判官にならなくてはいけなかったので、強くならなくてはならない、と思った。しかし、その点、私は転生者でもあったので、転生するときに天使のような者がくれた能力スキルを使えば、どんな攻撃も跳ね返すことができた。いわばチートスキル、というやつである。そのスキルの名前は―――完全防御オール・バリア。なんかかっこいい名前だな、と思った。

私は、強さの面では、そのスキルのおかげで、レベル100だ。

レベルマックスである。

私を殺せるとしたら、レベルマックスのものしかいないが、レベルマックスはそうそう居ないし、私を殺せたとしても同じレベルなので相打ちである。

っと、このくらいかな。情報は。

なぜそんなことを思い出していたのか、それは、今、私は刃物を突き付けられていて絶体絶命だからである。

うん、怖い。

レベルマックスだから大丈夫だけど、怖いものは怖い。

どうしよ。

魔法使おうかな。

『完全防御』

スキルを使って、するりと刃物のある所からぬける。

「!?」

犯人が驚いた顔でこちらを見ている。

怖いよう。

確か魔法書に時を止める魔法ってあったよね。

止めよう、怖いから。

『時間停止』

次の瞬間、止まった。

全てが。

「さて、えっと、この不審者らしき人を警察に連れて行こう。」

私は、刃物を持っている不審者らしき人を警察署にもっていった。

そして、

『時間再生』

と、つぶやく。

次の瞬間、時が動き出す。

「へっ?はっ?」

刃物を持った男がきょろきょろと挙動不審にあたりを見回している。

そりゃおどろくだろうな。

急にさっきとは違う場所にいるんだもんな。

「お前はなんだ!?」

警察が驚いた様子で刃物を持った男を押さえつける。

さて、後は警察さんに任せよう。

疲れたからもう今日帰ろう。

はあ、怖かった。

やっぱり刃物を向けられたりするのって、慣れないよなあ。

ああ、怖かった。

明日も裁判だ。

帰ったら早く寝よう。

疲れたし。


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