第12話 交錯する運命⑤
場所: 孤島・森の中
ナディアは短剣を片手に、教会の兵士たちの動きを探るため森の奥へと進む。夜の森は静まり返り、足音が落ち葉を踏みしめる音だけが響く。
【情景描写】
月明かりが木々の隙間から差し込み、森の地面をぼんやりと照らしている。遠くから聞こえる兵士たちの話し声が、徐々に近づいてくる。ナディアは木の影に隠れ、鋭い目で彼らを観察する。
【対話: 兵士たちの動き】
二人の兵士が森の中を歩きながら話している。
兵士A
「本当にここに隠れているのか?ただの無人島じゃないのか?」
兵士B
「異端審問官様が言うには、奴らは星図を持っているらしい。もしそれを見つければ、出世間違いなしだ。」
兵士A
(不安げに)
「でも、地動説なんて本当に信じられるか?星が動いているんじゃなくて、地球が動いているなんて…。」
兵士B
(苛立ちながら)
「そんなことはどうでもいい。俺たちは命令に従うだけだ。」
【緊張感の高まり】
ナディアは二人の兵士が近づいてくるのを見て、静かに後退しようとする。しかし、足元の枯れ枝を踏んでしまい、小さな音が響く。
兵士A
(音に気づいて)
「今の音、聞いたか?」
兵士B
(剣を構えながら)
「あっちだ!誰かいるぞ!」
ナディアは瞬時に木の影に隠れ、短剣を握り締める。兵士たちが近づいてくる中、彼女は冷静に状況を見極める。
【行動: ナディアの機転】
ナディアは近くに転がっている石を拾い、反対方向に向けて投げる。石が落ちる音が森の奥で響き、兵士たちがそちらに気を取られる。
兵士A
「あっちだ!急げ!」
兵士たちが去ったのを確認し、ナディアは素早くその場を離れる。彼女は入り江に戻る道を急ぐが、途中で何者かの気配を感じて足を止める。
【新たな危機】
森の奥から現れたのは、異端審問官エリアスだった。彼は冷静な表情でナディアを見つめ、ゆっくりと近づいてくる。
エリアス
「君は航海士か。こんな森で何をしている?」
ナディア
(短剣を構えながら)
「さあな。あんたに答える義理はない。」
エリアス
(少し笑いながら)
「この島に星図を持った異端者がいることは分かっている。君もその仲間だろう?」
ナディアは無言でエリアスを睨みつける。緊張感が漂う中、エリアスは剣を抜くそぶりも見せずに続ける。
エリアス
「教会に逆らうことがどういう結果を招くか、君も理解しているはずだ。それでも進むというのなら、私も容赦はしない。」
【シーン終わり】
ナディアは後退しながら森の奥へと逃げる。エリアスは彼女を追わず、その場に立ち尽くしながら呟く。
エリアス(モノローグ)
「彼らの意志は本物か…だが、真実は一つだ。どれだけ抗おうとも、教会の正義は揺るがない。」
ナディアが森の奥に消え、エリアスの顔が月明かりに浮かび上がる。物語はさらなる緊張感を高めながら次の展開へと進む。
次の展開
ナディアは無事に入り江に戻るが、教会の兵士たちがさらに迫っていることを伝える。一方、エリアスはアナスタシアの持つ星図を手に入れるため、全力で捜索を進める。両者の戦いが本格化し、物語は危機的な状況に突入していく。
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