第11話 交錯する運命④

ナディアたちの船は、森の奥に隠れた入り江へと慎重に進む。一方で、教会の船団が島の海岸に上陸し、兵士たちがアナスタシアたちの捜索を開始する。


【情景描写】

入り江は森に囲まれ、外からは視界が遮られている。船がゆっくりと木々の陰に隠れていくと、周囲はほとんど静寂に包まれる。一方、島の反対側では教会の兵士たちが海岸に降り立ち、森の中に向かって隊列を組んで進んでいる。


兵士隊長

(指揮を執りながら)

「目撃された船はこの島に逃げ込んだはずだ。森を隅々まで捜索しろ。奴らを見つけたらすぐに知らせろ!」


エリアス(異端審問官)

(兵士の中に立ち、森を見つめながら冷静に)

「彼らは逃げ場を失っているはずだ。隠れることができる場所は限られている。この森の奥に秘密が隠されていると考えるべきだな。」


【入り江の隠れ家】

ナディアとアナスタシアは、船が安全に隠れられる位置までたどり着いた。船員たちは急いで荷物を降ろし、森にカモフラージュする準備を始める。


ナディア

(船員たちに指示を出しながら)

「帆を外して木の枝で覆え。船がここにあると教会の奴らに気づかれるな。」


アナスタシア

(ナディアに駆け寄り、不安げに)

「教会の船団がすぐ近くまで来ています。彼らがここを見つけたら…。」


ナディア

(少し笑いながら)

「お前、怖いなら森に隠れていてもいいんだぞ。でも、この船と星図が一緒にある方が安全だ。」


アナスタシア

(決意を込めて)

「いいえ、ここに残ります。父が守りたかった真実を、私も守ります。」


【教会の追跡】

一方、教会の兵士たちは森の中を進み、廃屋にたどり着く。先にアナスタシアが訪れていた場所だ。


兵士A

「ここに人がいた痕跡があります!だが、もういないようです。」


兵士隊長

(廃屋を調べながら)

「奴らが星図を隠していた可能性がある。調べ尽くせ。」


エリアスが廃屋に入り、床に落ちた紙の切れ端を拾う。それには天体観測のメモが書かれている。


エリアス

(紙をじっと見つめながら低く呟く)

「これは間違いない。彼らはここで地動説に関する研究をしていた。」

(隊長に向き直り)

「捜索範囲を広げろ。島に他の隠れ場所があるはずだ。」


【危機の接近】

入り江の隠れ家にいるナディアたちも、教会の兵士が森を進んでいる足音に気づく。緊張感が高まる中、船員たちは動きを止め、息を潜める。


船員A

(囁きながら)

「奴らがこっちに来るかもしれない…。どうする?」


ナディア

(低い声で)

「静かにしていろ。私が偵察に行く。」


アナスタシア

(驚きながら)

「ナディア、危険です!」


ナディア

(冷静に微笑みながら)

「危険なのはいつものことさ。お前はここで星図を守れ。」


【シーン終わり】

ナディアは短剣を腰に差し、森の奥へと足を踏み入れる。一方、アナスタシアは星図を抱えながら船の陰に隠れ、祈るように空を見上げる。夜空には再び星々が輝き始めている。


アナスタシア(モノローグ)

「星々が私たちを守ってくれるなら、この危機を乗り越えられるはず。ナディアも、きっと無事に戻ってきてくれる…。」


カメラはナディアが森の中を慎重に進む姿を映し、シーンは次の展開へと繋がる。


次の展開


ナディアは森の中で教会の兵士と危険な駆け引きを繰り広げる。一方、アナスタシアと船員たちは隠れ家で身を潜めながら、逃げ道を模索するが、やがて彼らの位置が発見される――危機が一層深まる次回。

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