第9話 交錯する運命②
シーン2: 『孤島の出会い』
場所: 孤島・荒れた海岸
嵐の中、なんとか孤島にたどり着いたナディアの船。海岸に打ち上げられた船の修理を進めるナディアとその船員たち。一方、アナスタシアは星図を守りながら、島の様子を探りに出る。
【情景描写】
孤島は荒涼とした風景で、海岸には岩場が広がり、奥には鬱蒼とした森が広がっている。嵐が過ぎ去った後の重たい空気の中、波が静かに打ち寄せる音が響いている。
ナディア
(船を点検しながら船員に指示を出す)
「帆を修理しろ。ここを離れるには時間がかかるぞ。」
アナスタシア
(星図を抱えながら)
「私は少しこの島を見てきます。もしかしたら、役立つものが見つかるかもしれません。」
ナディア
(振り返って)
「一人で行くのは危険だ。気をつけろよ。ここが無人島とは限らないからな。」
【探索: 森の中】
アナスタシアは森の中へ足を踏み入れる。湿った土の匂いと風に揺れる木々の音が辺りを包む中、彼女は慎重に進む。途中、古びた廃屋のような建物が見えてくる。
アナスタシア(モノローグ)
「こんな場所に人が住んでいたの?でも、今は誰もいないみたい…。ここで何か観測に使えるものが見つかればいいけれど。」
【新たな出会い】
アナスタシアが廃屋の中に足を踏み入れると、突然背後から物音がする。驚いて振り返ると、そこには初老の男が立っていた。男は手に杖を持ち、鋭い目でアナスタシアを見つめている。
男
「ここで何をしている?」
アナスタシア
(驚きつつも冷静に)
「私は…嵐でこの島に避難してきただけです。あなたは、この島に住んでいるのですか?」
男
「そうだ。長い間、ここで静かに暮らしている。」
(アナスタシアの抱える星図に目を向けて)
「その紙は何だ?」
アナスタシアは少し警戒しながら星図を隠そうとするが、男の鋭い視線に気づいてためらう。
アナスタシア
「これは、星々の動きを記録したものです。」
男
(興味深そうに目を細めて)
「星図か…。まさか、地動説に関するものではないだろうな?」
【緊張感のある対話】
アナスタシアは一瞬言葉を失うが、男の表情が険しさから柔らかさへと変わるのを感じる。
アナスタシア
「そうです。地動説を証明するために観測を続けています。でも、それを知ってどうするつもりですか?」
男
(少し微笑みながら)
「安心しろ。私はお前を教会に突き出すつもりはない。むしろ、その研究には興味がある。」
アナスタシア
(驚いて)
「あなたも…地動説を?」
男
「かつて、私は教会に仕える学者だった。しかし、地動説に賛同したために追放された。この島に隠れ、星を観測し続けている。」
【協力者の存在】
男はアナスタシアに島の奥にある自分の観測装置を見せると言い、彼女を廃屋の裏手へと案内する。そこには粗末ながらも精巧な天体観測装置が置かれている。
男
「教会の目を逃れながら、私はここで星を見続けてきた。お前の持つ星図を見せてくれ。私の観測データと照らし合わせれば、さらなる証拠を得られるかもしれない。」
アナスタシア
(目を輝かせて)
「本当ですか!ぜひ協力してください!」
【シーン終わり】
嵐で荒れた孤島の中で、アナスタシアは思いがけない協力者を得る。彼女と男が観測装置を見つめるシーンで、再び星が輝き始める。
アナスタシア(モノローグ)
「父の研究を完成させるために…。星々は私たちを繋げている。きっとこの出会いも、何かの導きなんだ。」
画面は広がる星空へとフェードアウトし、次の展開を予感させながらシーンが閉じる。
次の展開
新たな協力者を得たアナスタシアだが、その存在は教会の密偵に知られることになる。孤島での観測が新たな危険を招き、物語はさらに緊張感を増していく。
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