第8話 交錯する運命①
シーン1: 『嵐の前兆』
場所: 地中海の孤島付近・海上
ナディアの船が広い海原を進んでいる。空はどんよりと曇り始め、波が徐々に高くなる。嵐の前兆を感じさせる風が吹きつける中、アナスタシアとナディアが甲板で話をしている。
【情景描写】
水平線の向こうに、黒い雲が立ち込めている。風が船の帆を激しく揺らし、海面は不穏な波紋を描いている。孤島の影が遠くにぼんやりと見え、嵐を避けるための避難先として目立っている。
ナディア
(眉をひそめながら空を見上げ)
「嵐が来る。星を見るどころじゃなくなりそうだな…。」
アナスタシア
(星図を守るように胸に抱えながら)
「こんな状態で教会の追撃を受けたら…。安全な場所を見つけないと。」
ナディア
(舵を握りながら)
「あの孤島だ。嵐が過ぎるまで一旦避難するしかない。」
【新たな展開: 船内での対話】
アナスタシアは船内に戻り、星図をテーブルに広げて次の観測計画を確認している。ナディアが入ってきて椅子に座り、少し疲れた様子でワインを飲む。
ナディア
「お前の星図、少しだけ見せてくれないか。」
アナスタシアは少し驚きながらも星図を差し出す。ナディアは指で星の軌道をなぞりながら、感心したように呟く。
ナディア
「これ、本当にすごいな…。私は星を頼りに航海してきたが、こんな精密な図は見たことがない。」
アナスタシア
(少し微笑みながら)
「父が作ったものなんです。観測を重ねて、地動説を証明しようとしていました。でも、それが原因で教会に…。」
ナディア
(真剣な表情で)
「だからこそ、お前はその研究を完成させたいんだな。だが、そのためにはただ星を見るだけじゃ足りない。」
アナスタシア
(疑問を浮かべながら)
「どういうことですか?」
ナディア
「この星図を完成させるには、航海のデータや、他の観測者たちの協力が必要だ。私たちだけじゃ限界がある。誰か信頼できる人間を探すんだ。」
【危機の兆し】
突然、船が大きく揺れる。外からナディアの船員が叫ぶ声が聞こえる。
船員
「船長!前方に暗礁があります!このままじゃ衝突する!」
ナディアは急いで甲板に飛び出し、舵を握り直す。アナスタシアもついて行き、荒れ始めた海を見て表情を曇らせる。
ナディア
「嵐は避けられそうにない…。孤島にたどり着けるかどうか、ギリギリのところだ。」
アナスタシア
(星空を見上げながら)
「こんな時こそ、星の導きがあれば…。」
【シーン終わり】
船は荒れ狂う波の中を進み、孤島に向けて最後の航路を切る。ナディアの冷静な指示と、アナスタシアの祈るような表情が交差する中、物語は次の危機に向けて動き出す。
アナスタシア(モノローグ)
「星々は私たちを導いてくれる…。たとえ嵐の中でも、その輝きは消えない。」
次の瞬間、大きな波が船を飲み込み、画面が一気に暗転する――。
次の展開予告
嵐を乗り越え孤島にたどり着いたナディアとアナスタシアは、そこに意外な協力者と出会う。しかし、その裏で教会の追跡もまた、静かに彼女たちへと近づいていた。
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