第4話 星を繋ぐ者たち③
シーン3: 『追跡する影』
場所: フィレンツェ市街・夜明け前の路地
フィレンツェの石畳の街路はまだ暗闇に包まれ、人々が活動を始めるには早い時間。アナスタシアは観測所から急いで街へ戻る途中、誰かの気配に気づく。
【情景描写】
薄暗い街並みには、月明かりがかすかに石壁を照らしている。細い路地に入り込むと、足音が響き、背後から低い声が聞こえる。
追跡者の声
「そこの女!止まれ!」
アナスタシアは振り向かず、星図を抱えたまま走り出す。
【キャラクター描写と行動】
アナスタシアは息を切らしながらも、走る速度を緩めない。男装をしているため、一見普通の少年に見えるが、星図を守るために冷静さを失わない強い意志が垣間見える。
アナスタシア(モノローグ)
「追手…!どうして教会がこんなに早く動いているの?星図を奪われるわけにはいかない!」
【会話とアクション】
追跡者たちは二人組で、教会から派遣された密偵だ。道を塞ごうとするが、アナスタシアは路地の迷路のような構造を利用して巧みに逃げる。
追跡者1
「この時間に走る奴なんて怪しいに決まっている。捕まえろ!」
追跡者2
「何を持っているんだ…見ろ、あの包み!星図かもしれん!」
アナスタシアは路地の曲がり角で石の階段を駆け上がり、屋根の上に逃れる。彼女は隠れながら、息を整える。
アナスタシア(小声)
「こんな所で捕まるわけにはいかない…。星図を失えば、父の遺志も未来も終わってしまう。」
【場面転換】
追跡者たちが近づき、アナスタシアの隠れる屋根の真下に到着する。だが、彼女は屋根から別の建物に飛び移り、間一髪で逃げ延びる。
追跡者1
「くそっ!見失ったか…。」
追跡者2
「この辺りに隠れているはずだ。しらみ潰しに探せ!」
アナスタシアは、路地の影に身を潜め、教会の鐘の音が鳴り始めるのを聞く。彼女の表情には緊張と疲労が浮かぶが、星図を守り抜いた安堵感も見て取れる。
【シーン終わりのモノローグ】
アナスタシア(モノローグ)
「星々を繋ぐには、まだ道は遠い。でも私は諦めない…父の理論を証明するために、必ず真実を掴んでみせる。」
薄明かりの中、彼女は再び歩き出す。背後では追跡者たちの声が遠ざかり、夜が明け始める。
【次の展開】
アナスタシアは密偵の存在をルカに伝えるため、再び接触を図る。一方、追跡者たちは教会に戻り、彼女が持つ「危険な資料」の存在を上司に報告する。次回、彼らの動きがアナスタシアたちに新たな危機をもたらすことになる――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます