第7話

眞仲がブラブラしていると


「グ―――」


眞仲のお腹が鳴った。


時計を見ると七時少し前だった。


お腹が空いた眞仲はとりあえず何か食べようと思い洋食屋に入った。


・・・・・カランコロン


「いらっしゃ~い」


「・・・まだ開いてます?」


「まだ開いてますよ。こっちにどうぞ」


「・・・・・・・」


「悠、注文とってくれ」


「わかったよ」


中から女の子が出てきた。

女の子は眞仲の顔をみて


「アンタって最近転校してきた眞仲だよね?」


「・・・ハ・・・ハァー」


「アタシ、同じクラスの城澤 悠。ヨロシク」


「こっ・・・こちらこそ」


「で、注文は何にする?」


「あっあの・・・オススメってありますか?」


そう言うと城澤は眞仲の顔をのぞきこんで


「アンタが食べたいモン食べれば?」


そう言われてビクッとなりながら眞仲はメニューをもう一度見て注文する。




「おまたせ」


美味しそうな料理が出てきた。




城澤さんってハキハキしてて恐い・・・・・




そう思いながら眞仲は料理を口にする。


「んっっ・・・おいしい!」


「そう、ありがと」


城澤は嬉しそうな顔をしている。


眞仲は料理を食べ終えてレジを済ませる。


「・・・すごいね、こんな時間までバイトして・・・・・」


「この店、アタシの両親がやってんの」


「そっ・・・そうなんや」


それから眞仲は自分でもどうでも良いような話を笑って話していた。


「・・・・・アンタって笑うの下手だね。見てるコッチが疲れる」


切味鋭い言葉が返ってきた。


「・・・・・そっかぁ」


それでもアハハと眞仲は笑っていた。




だって笑ってへんと・・・・・




それを見て城澤は眞仲の財布を奪って投げた。


「あぁー」


眞仲は投げられた財布を追いかけた。


バッシャーン・・・・・ピチャン


財布を追いかけるのに必死になりすぎて眞仲は川に落ちた。


「・・・・・何すんねん」


眞仲は財布を拾って城澤に向かって叫ぶと、城澤は声を出して大笑いしていた。


それを見て眞仲は顔を真っ赤にした。


「笑うっていうのはこーゆーことだよ」


そう言って城澤は帰っていった。



「・・・・・?」


川に残された眞仲はポカーンとしていた。


「なんやそれっ」


眞仲は城澤の言葉を思い出して一人で笑っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る