第6話
藤匡が去った後
「シゲもノート拾うの手伝ってくれても良かったやろ?」
眞仲が田村に言うと
「ヤダよ、俺アイツ嫌いなんだよ」
「・・・えっ!」
「アイツっていつも周りのこと見下した様な目で見てるし、学校だって殆んど来てないじゃん」
「そっ・・・そうなんや」
クラスメイトの事をあまり知らない眞仲は田村の言葉にうなづく。
「だから、眞仲もアイツには気を付けた方が良いぜ。何かヤバイことやってるらしいよ」
「・・・えっ?ヤバイことって・・・薬とか?」
恐る恐る眞仲が聞くと
「そこまでは分かんないけど、やってるかもな」
田村は平然と答えて話を続ける。
「いっつも違う女連れて歩いてんだって。めちゃめちゃ遊び人らしいよ」
「そうなんや・・・いい人に見えてんけど・・・」
「眞仲って人を見る目ダメダメじゃん」
田村が笑いながら言う。
「そうなんかな・・・・・」
眞仲が凹んでいると
「今のは冗談、冗談。気にすんなって」
そう言って田村は帰っていった。
その日の放課後
眞仲は本屋に寄っていた。
小さい時から本が好きだった眞仲は本屋に寄るのが日課になっている。
家に帰るのが早くても特に何もないし、遅くても心配する人もいない。
眞仲は本を取っては少し読んで戻して、又取っては少し読んで戻してを繰り返していた。
たまたま手にとって読んだ本が気に入った眞仲はその本をレジに持って行った。
「いらっしゃいませ」
本を渡した時に店員の顔を見たらその店員は藤匡だった。
「ふ・・・・・藤匡・・・君?」
「ブックカバーはつけますか?」
「おっ・・・お願いします」
「1300円になります」
眞仲は財布からお金を出して支払う。
「ありがとございました」
眞仲はお釣りを受け取って、本屋を出ていった。
こんな時間まで働いている藤匡に眞仲は田村が言っていたことに違和感を感じながら商店街をブラブラ歩いていた。
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