第5話
次の日
眞仲が教室に入ると田村が寄ってきた。
「眞仲、コッチ来いよ」
教室に入ると田村に呼ばれて、眞仲は田村達の輪に入って話に混ざる。
・・・・・ナニ?
・・・・・ナニナニ?
眞仲は輪に入ったのは良いけど田村達の話が分からないでいた。
「ゴメン、職員室に用あったから行くわ」
そう田村に言って、眞仲は輪から抜けて教室から出ていった。
アカン、全く話に付いていかれへんわ・・・・・
やっぱり体育館の裏が一番落ち着ける。
眞仲は田村に嫌われたくないって思うと顔色ばっかり見てしまう自分にうんざりしていた。
でも、一人になるよりはエエかぁ・・・・・
そう思いながらパタリと横になる。
空を見ていると何か影が見えた。
・・・・・?
気になった眞仲はフェンスに足をかけて、影が見えた場所に上ると生徒が一人座ってパソコンを使っていた。
その目からはスゴく冷たい雰囲気を感じた。
「んっ!?」
その生徒が眞仲に気付き、コッチを向いて眞仲と目があった。
眞仲はびっくりしてフェンスにかけていた足を踏み外して落ちてしまった。
「・・・いったぁ」
眞仲が痛がっているとヒョッコリ上から、さっきの生徒が顔を出してコッチを見ている。
「や・・・ちょっ・・・捜しもんを・・・」
我ながら苦しい言い訳だと眞仲は思う。
「そうなんだ」
その生徒は一言いって顔を引っ込めた。
うわーーーーーっ笑われた
眞仲は恥ずかしくなって、その場から逃げた。
体育館の裏から離れてから気付いた。
さっきの人って同じクラスの・・・・・藤匡君やな
僕もあんな風に堂々と出来たらエエのに―――
眞仲はうらやましいと思いながら階段を降りていった。
階段の途中で田村に会った。
「もう用事は終わった?」
「ぅ・・・うん」
眞仲と田村は階段に座って話し始めた。
相変わらず田村が一方的に話して、眞仲はそれに対して遠くを見ながら返事をしていた。
眞仲は話を聞いているが、何かボーッとしていた。
その時・・・
バサバサバサ―――――
眞仲の周りにノートが散らばっていた。
我にかえった眞仲はノートを拾い集める。
拾ったノートの名前を見ると『藤匡 航』と書いてあった。
階段の上から藤匡が降りてきた。
眞仲はノートを藤匡に渡すと
「ありがと」
小さい声で言って、藤匡は階段を降りて行った。
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