第4話

転校してきて一週間


眞仲が学校に行き教室に入ると


「おはよう。眞仲君」


二人の生徒が眞仲に話しかけてきた。


「・・・・・・・」


「田村君から聞いたけど眞仲君ってゲーム強いらしいじゃん」


「いや、あの・・・」


「何か親しみやすくなった」



えっ・・・?



「眞仲君と喋ってみたかったんだ」


「いつも一人でいるから話しかけにくかったんだ」




そうなんや・・・・・




眞仲は二人の生徒と楽しげに話をはじめた。






話が終わると教室に田村が入ってきた。


「楽しげに話してたじゃん」


田村が眞仲の横に座った。


「うん、おもろかったで。シゲも来たら良かったのに」


「別に。アイツら暗いじゃん。てか、話したくないもん」


眞仲は田村の意外な返事に驚いた。


「眞仲も関わんのやめた方が良いよ。暗いヤツって思われるし」


「・・・う・・・ぅん」


その時にさっき話していた二人が眞仲の方を振り返った。




あ!・・・・・聞こえたんカナ?




眞仲は後ろめたい気持ちがあってうつ向いてしまった。











昼休み


眞仲が昼食を取るために教室を出ようとすると


「眞仲君、教室で一緒に食べようよ」


さっき話していた二人が眞仲のそばによってきた。




・・・・・・・ハッ!




眞仲は田村に言われた言葉を思いだしてしまう。


眞仲が断ろうとすると二人はしつこく誘ってきた。


「エエって言うてるやん」


眞仲は一人の手を振り払ってしまった。


「・・・・・・・」


二人が無言で眞仲の前に立ち止まっている。


「やっぱり・・・さっき田村君と僕らの悪口言ってたんだ」


二人が眞仲を見ながら言った。


ゴメンと謝って眞仲は教室から出ていった。




ホンマはちゃうのに・・・・・




教室から出てから徐々に呼吸が乱れ息苦しくなる。


眞仲はトイレに入り、ゆっくり息をして呼吸を落ち着こうとする。


でも落ち着けず、さっきよりも呼吸の乱れがひどくなる。



・・・スーハー・・・スーハー・・・



制服から紙袋を出して、口に当ててゆっくり息をして呼吸が落ち着いた。




別にやりたくてやってるワケやないーーーーーーーー


なら、なんでこんなことをすんのーーーーーーーー?


なんで、僕はこんなに弱いんやーーーーーーーー?


やっぱり僕はオカシイ人間なんや・・・・・


あんなのはもうーーーーーーーーイヤや


僕はあの時から何も変わってへん




眞仲はそう呟く。

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