第2話
新しいクラスは本館の二階にある。
階段を上がりながら眞仲は濱田と最後の確認をする。
「さっき言ったように私がクラスに先に入るから、その後、私が呼んだら入ったら良いから」
「は・・・はい」
・・・テクテク・・・テクテク・・・テクテク・・・
「さあっ!着いたわ」
クラスの前に二人が立ち止まる。
クラスの中から笑い声や話声が廊下まで聞こえてくる。
「はぁー・・・まったくあの子達は又騒いで」
濱田がため息を吐いて眞仲を見ながら苦笑いを浮かべる。
「・・・・・・・」
「このクラスはスゴく明るいわ。スグに馴染めると思うわ」
濱田はそう言ってクラスに入った。
濱田がクラスに入ると、さっきよりは静かになった。
「それじゃあ、朝の会始めるよ。 それとその前に転校生を紹介するよ」
濱田の言葉を聞いて
ザワザワ・・・ザワザワ・・・ザワザワ
「先生、転校生は男?女?どっち?」
男子生徒が聞いた。
「残念だけど男の子だから」
濱田の言葉を聞いて、男子生徒はため息をもらす。
さっき静かになったクラスに騒がしさが戻った。
「さあ教室に入って入って」
濱田に手招きされて、眞仲はクラスに入った。
「えぇー今日からこのクラスの一員になる眞仲 絋君よ。今から自己紹介をしてもらうから良く聞くようにね」
そう言って濱田は教壇を降り、眞仲を教壇に立たせた。
「ま・・・眞仲 絋です。ヨ・・・ヨロシク」
あまりに短い眞仲の自己紹介が終わると、慌てて濱田が教壇に上がり、皆に仲良くするようにと言った。
「眞仲君の席だけど・・・一番後ろの席に座ってちょうだい」
濱田に言われた通りに眞仲は席についた。
ホームルームが終わり、眞仲が授業の用意をしていると何人かの生徒が眞仲に話しかけてきた。
「なぁ、眞仲君って前はドコに住んでたの?」
「か・・・・・関西」
「ねぇ!眞仲君。眞仲君は部活やってたの?」
「・・・・・」
「・・・・・・・」
沈黙が続く。
「あーダメダメ!話が続かねーっ」
そう言って離れていく。
僕の事はほっといて・・・・・
ここからいなくなりたい・・・・・
みんな消えてくれ・・・・・
眞仲は心の中で叫んでいた。
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