第1章―転校/出会い―

第1話

アンタのせいでーーーーーーーー…




ーーーーーーーー返して…返して…







ーーーーーーーーーーーーーーーー……






周りから僕と関わった人はみんな不幸になると言われた。


度々、その時の映像が今でも夢に出てくる。


目をさますと涙が流れていて呼吸がうまく出来ず息苦しい。


紙袋を口に当ててゆっくり呼吸する。


スーハースーハー・・・スーハースーハー・・・


こうしないと落ち着く事が出来ない。


スーハースーハー・・・スーハースーハー・・・






数分たって落ち着いた眞仲は服を着替えて自宅から出ていく。



名前は・・・眞仲 絋

今日から牧乃瀬高校に編入する。


高一だから歳は15


ポケットにはいつもの様に紙袋を入れている。


眞仲にとってお守りみたいなもの。


学校に近づくにつれて、私服や制服を着た学生が目にはいる。


今度の高校は私服でも登校して良いらしい。


他の生徒を見るのは初めてで前にいた学校の生徒とは何か違う。


学校に着き、眞仲は校門の前で足を止める。


建物自体は五階建ての本館と三階建ての別館がある。


ここに来るのは二回目。


一回目は編入の手続きの時に来た。


校門を通ると桜の花びらがヒラヒラと舞っている。


桜の木の下を通って校舎に入る。


編入の手続きの時に朝来たら、まずは職員室に来てくださいと言われていたので、言われた通り職員室に向かった。


職員室に着き、眞仲はノックする。


・・・・・コンコン


「し・・・失礼します」


「どうした?」


手前にいた先生が立ち上がった。


「て・・・転校して来た・・・ま・・・眞仲です」


「あー転校生の眞仲君か、どうぞ、そこの椅子に座って」


眞仲は椅子に座って息を吐いた。


「飲みなさい」


先生はお茶を机においた。


「そんなに緊張しなくて良いぞ。気持ちはわかるがリラックスしなさい」


少し恐そうな先生だった。


「学年主任の寺嶋だ。以前君がここに来た時は確か担任になる濱田先生がいらした筈だが」


「そ・・・そうです。濱田先生でした」


「そうか。なら、大体の話は聞いてるね」


「は・・・はい」


濱田からは学校の校則や一日の流れなど大体の話は聞いていた。


「それじゃ、もう少し濱田先生が来るのを待っていなさい」


そう言って寺嶋は席を立った。


「・・・・・・・」


待つこと十分


やっと濱田が来た。


「ゴメンね。じゃあ教室に行こっか」


そう言われて眞仲は席を立った。

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